2016年10月03日
はじめまして、歯科医師の伊勢海(いせのうみ)と申します。
歯科治療をするかたわら、一般社団法人歯の寿命をのばす会や歯科医「開業成功バイブル」を主催しております。
このメルマガでは、患者さんが魅力を感じる歯科医院作りのノウハウを全6回で公開していきます。
1.アポが埋まる歯科医院になるには?
ところで、誰でも、できることなら患者さんが溢れる歯科医院にしたいですよね。
もちろん、「忙しすぎて困る」というケースもあるかもしれませんが、それはある程度アポイントをセーブすれば良いと思います。
どちらにしても、アポが空いてて、毎月の初診数や医業収入に不安を抱えるよりはずっとずっと良いはずです。
ただ現実の歯科医院経営はドンドン悪化している状況です。
実際に、歯科医院の医業収入のピークは平成8年でひと月当たり420万円でした。
ただ、そこからずっと右肩下がりに推移していって、現在は370万程度となります。
歯科医院の利益率は、一般的に20~30%と言われていますので、90万円ぐらいが収入となります。
月90万円なら十分良いと思われるかもしれませんが、この状態で止まるとは限りません。
なぜなら、歯科医院の数は増え続けて、2010年には約7万件なのが、2030年には8万件以上になると予測されています。
なんと歯科医院数が15%も増える計算です。
また人口にも問題があり、2010年に人口が1億3,000万人とピークを迎えて、2030年には1億1,500万人となる予測があります。
だとすると、ただでさえ減り続けている医業収入が、さらに下降する可能性が非常に高いということです。
今は、まったく問題ないかも知れません。
でも5年後、10年後が大丈夫だという保証は、どこにもありません。
だからこそ、今からコツコツと患者さんが魅力を感じる歯科医院作りをすることが非常に重要だと思います。
では、患者さんが魅力を感じて、アポが埋まる歯科医院になるには何が必要なのでしょうか。
治療の質でしょうか?
立地でしょうか?
最新の設備でしょうか?
たしかにそれらも重要です。
ただ、治療の質をいきなり1~2日で上げることはできないですし、1回開業したら立地を変えるって不可能ですよね。
また、設備投資も数百~数千万かかったりします。
そんな費用をかけたり、時間をかけたりしなくても結果を出すことはできます。
それをお伝えしてきます。
2.集患のコツは?
大きく3つの要素に分けます。
【1】集患方法
【2】サービスと環境
【3】ドクターの対応
この3つが重要となります。
逆にいえば、治療がある程度しっかりできたうえで、この3つをしっかり煮詰めれば患者さんが溢れる歯科医院を作ることは可能です。
では、まず集患についてお伝えしていきます。
集患に一番大切なこと、それは「認知」です。
あなたの歯科医院を認知してもらうってことです。
「えっ! 別にうちは認知されているよ」って思うかもしれません。
でも、患者さんからしたら、どうでしょうか?
たぶん、みんながあなたの歯科医院を知っているわけではありません。
知らなければ、患者さんが歯で困っている時に、あなたの歯科医院が選択肢から外れる可能性が高くなります。
ちょっと想像してみてください。
あなたが、よく行くターミナル駅にある寿司屋って、いくつ知っていますか?
たぶん、2~3軒じゃないでしょうか。
でも、実際に探すともっともっとあるはずです。
要は、患者さんは日々の生活で歯科医院がどこにいくつあるのかなんて、まったく興味がないってことです。
たまたま、知っている人もいれば、知らない人もいるはずです。
ある知り合いの歯科医師の話ですが、何年も同じ駅にずっと住んでいて、毎日ある歯科医院の前を通っていたのに、その存在に気づかない人もいました。
歯科医師さえも、必要性を感じていなければこの状態です。
患者さんなら、なおさらだと思います。
ですから、まず認知をしてもらう。
これが非常に重要です。
では認知してもらうために、どんな方法を想像しますか?
ちょっと考えてみてください。
いくつか出たでしょうか。
一般的には、看板とホームページなどが出やすいと思います。
もちろんそれも重要です。
ただ、じつはそれ以外にもいろいろあります。
アナログな方法とデジタルな方法の2パターンあるので、まずはアナログな方法をお伝えします。
1) 医院前の看板
2) ブラックボード
3) 名刺
4) 医院パンフレット
5) 小冊子
6) 地域での歯についての勉強会
7) 駅やバスでの看板・立て看板
8) バスのアナウンス
大まかにはこのような方法があります。
現状でいくつされていますでしょうか?
もちろん、すべてされなくても大丈夫です。
私もすべてやっているわけではありません。
ただ、あなたの歯科医院が地域で認知されるには少しずつできる範囲で増やしていくことが重要です。
では、1つひとつを詳しく解説していきますが、今回は一番重要な医院前の看板についてお伝えします。
1) 医院前の看板
これは認知の王道です。
歯科医院で看板がないクリニックは、99%ないと思います。
ただここで、「看板なんて普通だよね」と思ってしまうと損ををします。
看板は、どの歯科医院でも出しています。
ただ、それが効果的であるかは別問題です。
なぜなら、認知されるために看板があるので、あなたの歯科医院に行きたいと思って来られる人の案内板ではないからです。
多くの歯科医院はシンプルなデザインで「○○歯科医院」と書いています。
あなたの歯科医院をめざして来た患者さんにはわかりやすいかもしれません。
でも、あなたの歯科医院をまったく知らない人の目が止まるでしょうか。
ほとんど、目に止まらない看板だと思います。
じつは看板は、費用対効果の良いものです。
一度作れば、20年使うでしょう。
ですので、まずは看板から見直してみることも重要です。
では、看板を出す際のポイントですが、
[1]看板はできるだけ大きく
大きければ大きいほうがいいです。
どんなにデザインがよくても目立たないと意味がないです。
デザイン会社は、患者さんを増やすことを目的に仕事をしていません。
デザインや雰囲気が良くて、院長先生に納得してもらうことを目的としてます。
そのため、無難な感じになりがちです。
[2]看板の色味は、周囲と違う色に
ここはかなり好みが分かれますが、赤・オレンジ・黄色・ピンクは目立ちます。
目立つことをめざすなら、このあたりの色です。
でも、医院のテイストと違いすぎる場合もありますので、そこはよく考えてください。
青や緑でも全然OKです。
ただ、少しパステル系にしたり、濃くしたりと、周囲とちょっと違うようにしてください。
[3]看板に情報を入れすぎない
どうしても、看板にいろいろな情報を詰め込みたい人がいます。
電話番号も、診療時間も、休診日も。
たしかに情報が多いほうが、見る人には情報としての価値があります。
でも当初の目的を考えてみてください。
看板の目的は、「歯科医院がある」と、人に気づいてもらうことです。
基本的には、情報量は多ければ多いほど、1つひとつが希薄化する傾向があります。
看板も同じで、情報を入れすぎると、一番伝えたい重要な認知の部分が薄れてしまうケースがあります。
ですので、看板では情報を絞って、認知されることを目的としてください。
以上の3つに気を付けて看板を製作すると、あなたの歯科医院の認知が増えるはずです。
周囲の風景に埋もれない看板を作る。
これが非常に大切です。
次回は、残りのアナログの認知戦略を詳しくお伝えしていきます。
歯科医院経営は、正しい経営知識と手法を学んで、しっかり実践していけば、必ず結果は出るのです。
一般社団法人 歯の寿命をのばす会/歯科医「開業成功バイブル」主催
伊勢海 信宏
⇒ http://haisyakaigyo.com/