2015年05月11日
第4回目は、電話応対の基本をしっかりマスターしていただきます。
(1) 基本の手順を確認する
医療機関の患者さんに対する応対は、この15年ほどで大きく変化しました。
電話応対も同じです。
接客業と同レベルの応対をしている医療機関も増えています。
今回は、確認をかねて、電話応対の手順を紹介してまいります。
1)名乗る
「はい、○○歯科医院でございます」が基本的な名乗りです。
ゆっくり、はっきり名乗りましょう。
ときどき猛スピードで名乗っている人がいますが、患者さんは、自分自身も猛スピードで乱暴に扱われるのではないかと不安になってしまいます。
2)用件を聞く
ほとんどの場合、患者さんから
「予約したいのですが」
「予約をキャンセルしたいのですが」
「腫れてきたのですが」
「痛みが引かないのですが」
などと、言葉を発してくることでしょう。
用件をいわない人には「ご用件をうけたまわります」と伝えます。
このとき、詰問調にならないように、やさしい声を出し、語尾をやわらかく発音しましょう。
3)用件を復唱する
患者さんが用件を伝えたらそれを復唱して、安心感を与えること。
「復唱いたします」といって、患者さんがいったとおりの単語で復唱します。
「ずきずき痛いんです」という患者さんに対して、「疼痛ですね」というように言い換えないほうがよいのです。
4)依頼を受け、行動する
予約の電話であれば、予約をとるなどの行動に移します。
5)担当者に確認する
「痛みが引かない」
「腫れてきた」
などという内容で、医療上の判断が必要なときは、
「ただいま担当者に確認してまいりますので、少々お待ちいただけますか」
「院長に確認してまいりますので、少々お待ちいただけますでしょうか」
などと伝え、速やかに確認します。
また、担当者の手が離せない場合には、
「折り返しこちらからご連絡させていただきたいのですが、よろしいでしょうか」と伝えます。
(2)フレーズを丸ごと覚えましょう
歯科医院の電話応対のフレーズは、数が多くありませんから、そのフレーズを丸ごと覚えてしまいましょう。
以下は、予約を受ける場合のフレーズです。
丁寧な言い方を紹介していますので、患者さんの層や地域性に合わせて表現を工夫してみてください。
たとえば「いかがなさいましたか?」では丁寧すぎると、院長先生が判断されましたら、「どうされましたか?」と言い換える方法もあります。
ただ、前述のように、医療機関の言葉づかいは丁寧になってきていますので、周りの医療機関の言葉づかいにも注意を払ってみてください。
「はい、○○歯科医院でございます」
「○○さんでいらっしゃいますね?」
「ご用件をうけたまわります」
「今日はいかがなさいましたか?」
「治療のご予約でいらっしゃいますね?」
「確認いたしますので、少々お待ちいただけますか?」
「一番、早くご予約をうけたまわれるのは、○日○時ですが、ご都合はいかがですか?」
「それでは、○日○時のご都合はいかがでしょうか?」
「承知いたしました。○日○時のご予約をうけたまわりました」
「もしご都合が変わりましたら、ご連絡をいただけますか?」
「それでは、○日○時、○○さん、お待ちしております」
「○日は、保険証をお持ちくださるようお願いたします」
「どうぞ、気をつけてお越しください」
などです。
感じよくいえるまで練習をしておきましょう。
敬語を使いなれない新人の方でも、繰り返し練習をしておくと、スラスラと口から自然に出てくるようになります。
間違いやすい敬語について、NHK解説委員室のHP
⇒ http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/400/213917.html
にて、私が解説しております。
新人教育のお役に立つと思います。
ご質問等がございましたら、山岸(yamagishihiroko@gmail.com)までお願いします。
NHK学園専任講師
山岸 弘子