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患者さんの心をつかむ電話での話し方6つの法則【6】誠実な応対でクレームの電話を信頼の架け橋に変える

2015年06月09日

最終回は、電話でのクレームにどう応対して、患者さんとの信頼関係を取り戻せるかについてのヒントを、お伝えしていくことにします。

(1) クレーム対応の練習をしましょう。

どのような仕事にもクレームはつきものです。

クレーム対応の要点を院内で共有しておけば、クレームを受けたとき、また、誰が対応するとしても安心です。

クレーム対応で注意しなければいけないことは、初期対応です。

初期の対応が悪いと二次クレームを生み出してしまいます。

二次クレームを生み出してしまうと、不信感は決定的になってしまい、関係を修復することが難しくなります。

クレーム対応を、スタッフ個人の判断や資質に任せてしまうと、対応がスタッフそれぞれでバラバラになってしまいます。

このようなクレームのときは、このように対応するという取り決めをつくっておくと、経験の浅いスタッフがクレームを受けたときにも、それを活用できるでしょう。

ある歯科医院で実際に起きた例を紹介します。

患者さんが自分の思いをいってきた、そのことをスタッフから伝えられた主任の第一声が患者さんの怒りを生んでしまいました。

その第一声とは、「どんなクレームでしょうか?」という言葉でした。

若いスタッフがおそらく、「主任、患者さんがクレームをいっています」と伝えたのでしょう。

その内部の言葉をそのまま、外に発信してしまったのです。

自分の思いをクレームと言い換えられたこと、また、開き直ったような表現に、患者さんは怒り出し、気持ちを落ち着かせていただくのに、大変苦労したそうです。

クレーム対応の手順を院内で共有することなく、練習もしておかなかった結果、このような事態になってしまったのです。

クレーム対応の手順を院内で共有し、練習しておく必要があります。

(2) クレーム対応の手順

クレーム対応の手順を院内で共有しておくことは、医院を守るためにも、スタッフを守るためにも必要なリスク回避となります。

また、患者さんとの信頼関係を取り戻すためにも、必要不可欠です。

それでは、手順を確認しておきましょう。

1)クレームの内容をしっかり聞く

クレームの電話だとわかったら、誰しも、逃げ腰になったり、嫌だなという気持ちになったりするものです。

しかし、そのような態度は、電話を通して患者さんに伝わり、患者さんの怒りを増幅します。

逃げないでしっかり聞く姿勢を見せるだけでも、落ち着いていく患者さんが多いものです。

「詳しくお話しいただけますか?」と依頼する形にし、患者さんにまず「YES」といってもらいましょう。

2)迷惑をかけたことに対して、丁重な言葉でお詫びする

患者さんに実際に迷惑をかけてしまったとしたら、「誠に申し訳ございませんでした」と、きちんとした言葉づかいでお詫びします。

このとき、「ごめんなさい」「すいませんでした」などと軽い言葉でお詫びしても、お詫びの気持ちが伝わりません。

また、姿が見えないからといって、反り返って応対していると相手に伝わってしまうものです。

姿が見えなくても、対面のときと同じようにお詫びの姿勢をしてみましょう。

3)解決策を提示する

解決策を提示できるときは、「○○したいと思いますが、いかがでしょうか」「○○と改善したいと考えておりますが、いかがでしょうか」と患者さんの意向を尋ねます。

解決策をすぐに提示できない場合は、「きちんとしたお返事をしたいので、院内で話し合い、改めてご連絡させていただきたいのですが、よろしいでしょうか?」などと伝えます。

4)注意をしてくれたことに関して感謝する

対応の最後に患者さんが穏やかになれば、理想的なクレーム対応といえます。クレームをいうときは、不満や怒り、いらだちなどのマイナスの感情に満ちています。

しかし、医院側から真摯で、誠意のある対応をされれば、マイナスの感情が少しずつ消えていくものです。

患者さん自身も、マイナスの感情に満ちたまま電話を切るより、気持ちを受け止めてもらえた満足感で電話を切りたいのです。

誠実さを伝えるのは、電話では言葉が中心となりますが、言葉以外の要素、つまり、声、姿勢、息の使い方にも注意を払ってみましょう。

お詫びの気持ちや感謝の気持ちをしっかり届けるという意識が高くなると、普段の電話応対もさらに磨かれていきます。

今回の連載は終了しますが、また、どこかでお目にかかれる日を楽しみにしております。

ご質問等がございましたら、山岸(yamagishihiroko@gmail.com)まで
お願いします。

NHK学園専任講師
山岸 弘子