2001年05月07日
去る3月3日に、日本歯科大学に於いて、第2回「日本口腔機能水学会」の学術大会が開催された。
昨年、「強電解水歯科領域研究会」から改称して、2年目の今回の大会では、特別講演2題、シンポジウム2題と、ポスターによる一般発表と、機材展示が行われた。
特別講演は、日歯大理工学教授吉田隆一先生による、厚生省に機能水の有効性を示す基礎実験として行われた、歯牙脱灰についての報告や、北里研究所小宮山寛機先生の、院内感染防止への応用法についての報告であった。
機能水の有効性が、認められつつも、未だに薬事法の承認が得られていない現状で、様々な基礎的な裏付けを行い、安全性、有効性を、世に認めて貰いたいという、学会の努力の一端である。
必死で説明しても、「でも薬事通ってないから」と言う一言に、悔しい思いをした先生方のいかに多いことか。
特に、病院勤めの先生方には、我々と違いこの壁は大きくそれを思うと、大学の先生方の地道な努力には、大きな拍手と声援を送りたい。
シンポジウム1では、「機能水の口腔内応用」と題し日大歯周病学伊藤教授、徳大口腔細菌学三宅先生、東京医科歯科大障害者歯科山崎先生により、機能水の特性を生かした、歯科領域への応用の可能性が、示唆された。
シンポジウム2では、強電解水企業協議会による、過去の企業乱立時代から整理され、協力して食品添加物(食品の洗浄剤としての使用)認可に向けての経過報告がなされた。
その昔の「魔法の水」から、科学的に実証されてきた昨今では、確実に足場を固めつつある様相が見て取れた。
ただやはりネックは、お役所であることも改めて確認せざるを得ない。 規制緩和が叫ばれる中、どうも厚労省は、ここ数年突き上げられることが多く、神経質になっているようで時代に逆行している感がある。
一般発表では、前回まで少数であった、チェアユニットの水管路汚染を踏まえた発表が多くなり、機能水を対策の決定打とすべく、素材への影響などが示され、ユニットメーカーに開発を促す材料が提供されていた。
但し、現行のユニットに給水することは、大きなリスクを伴うので、お勧めはできない。機能水は、アメリカで主流である、一般の消毒液を使用して洗浄する方法や、フィルターを使用する方法とは違い、洗浄後のすすぎ操作が必要ないと言う点や、交換のコストや手間がかからないと言う大きな利点がある。
さらに言えば、メーカーの対応が整い管路の材質や、ハンドピース等の材質への影響さえクリアできれば、そのまま給水することも可能なわけで、機能水のユニット給水が一般化するのは、まんざら、私だけの妄想でなくなってきているようだ。実際、アメリカの対策用の製品を扱っている会社が、洗浄剤としてボトル入りの機能水を販売しようと、日本まで見学に来た事実もあり、今後の展開がますます楽しみである。
日本口腔機能水学会HP
http://www.kinousui.com/
岩本歯科HP
http://www.iwamoto-dc.com/