2014年07月31日
(1) 患者さんのことを思えばメンタルブロックから解放される
「自費率をアップさせたいと思っているのに、なかなかうまくいかないクリニック」
「開業から一段落つき、保険診療収入も安定的に推移、そろそろ自由診療にも本格的に取り組みたいと思っているクリニック」
「自由診療に取り組み始めたものの、なかなか月平均で50万円、100万円といった初期のハードルが安定的に越えられないクリニック」
こういったクリニックにおいて、自費率をアップさせ集患・増収を実現していくためには、いろいろと必要な施策があります。
もっとも、こういったクリニックで必ずボトルネックとなっているのは、ドクターやスタッフの自由診療へのメンタルブロックです。
ドクターやスタッフが、自分自身で心理的な壁や障害を設定していることが多いのです。
自由診療へのメンタルブロックを探ってみると、次のような点が指摘できます。
「歯科医療においては儲けてはいけない」
「この患者さんは自由診療の金額は支払えないはずだ」
「歯科治療は保険の範囲内でやるべきだ」
「高いものをすすめるのはよくないことだ」
「高いものを売りつけたと思われたくない」
これらのメンタルブロックを見て、先生方はどのように思われたでしょうか?
これらの想いは、本当に患者さんのことを思ってのことなのでしょうか?
きちんと事実であるかどうか、その患者さんに確認したのでしょうか?
それとも、単なる提供側の思い込みなのではないのでしょうか?
多くの「自費率をアップさせ、集患・増収を実現しているクリニック」に共通している特徴の一つは、自由診療へのメンタルブロックから解放されていることです。
上記のようなメンタルブロックに対しては、その一つひとつに対して、ドクターやスタッフが自ら問いかけ、一般化・省略化・歪曲化がなされていないか、きちんと整理しておくことが効果的です。
では、ドクターやスタッフがもっている自由診療への典型的なメンタルブロックのパターンに対して、一般化・省略化・歪曲化を外していくための問いかけをしてみましょう。
「歯科医療においては儲けてはいけない」
↑「どうして歯科医療においては儲けてはいけないのでしょうか? 何のために収入を上げていくことが大切なのでしょうか?」
「この患者は自由診療の金額は支払えないはずだ」
↑「その患者さんに実際に確認したのでしょうか?」
「歯科治療は保険の範囲内でやるべきだ」
↑「どうしてそのように言えるのでしょうか?」
「高いものをすすめるのはよくないことだ」
↑「その患者さんも、そのように思っているのでしょうか?」
「高いものを売りつけたと思われたくない」
↑「その想いは患者さんのためなのでしょうか、それともご自分の自尊心からなのでしょうか?」
いかがだったでしょうか?
シンプルな問いかけではありますが、一つひとつをきちんと自問自答してみると、一般化・省略化・歪曲化していることが多いことに、気づくのではないかと思います。
(2) 3つの自信を持つことがスタート
成功しているクリニックでは、自分の思い込みから治療がすすんでいくことがないように、患者さんに対してきちんと確認をしているのです。
そして、多くの「自費率をアップさせ、集患・増収を実現しているクリニック」に共通しているのは、「3つの自信」を、顕在的にも潜在的にももっていることです。
「3つの自信」とは、「自分のクリニックへの自信」「クリニックの治療やサービスへの自信」、そして「自分自身への自信」です。
さらに、重要なポイントとしては、成功しているクリニックにおいては、これらの「3つ自信」をもった上で、患者さんにとって必要だと判断された場合には、患者さんのことを思って、自信をもって妥協せずに、自由診療をおすすめしているということです。
機能性・審美性・生体親和性などの観点から考えると、多くのケースでは自由診療のほうが優れていることはいうまでもありません。
たとえば、これらを真剣に考えたら、メタルフリーというのは当然の帰結でしょう。インプラントを巡る議論も同様です。
そして、歯の機能、噛み合わせの重要性、口腔環境の改善の重要性、身体への影響などを考えると、本来的には、患者さんにとっても歯科治療への投資は最優先項目であるべきだと思います。
「成功しているクリニックにおいては、これらの「3つの自信」をもった上で、患者さんにとって必要だと判断された場合には、患者さんのことを思って、自信をもって妥協せずに自由診療をおすすめしている」
この重要なメッセージの中で、中核にあたるのは「患者さんのことを思って」という部分でしょう。
結局は、患者さんのために歯科医療を提供しているのです。
歯科医療を通じて、患者さんや周りの人たちに貢献していくこと、歯科医療を通じて患者さんの成長と、患者さんへの貢献を実現しているのです。
そして、患者志向ということを本当に貫徹しているクリニックが、「自費率をアップさせ集患・増収を実現しているクリニック」であることが多いのです。
歯科診療の根源的分岐点は「保険診療vs.自由診療」というところにあるのではなく、「機能性・審美性・生体親和性」といった、本来の基準にこそおかれるべきです。
株式会社マージングポイント
代表取締役社長
経営コンサルタント
田中 道昭
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