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歯科医院の女性スタッフを活性化させるコツ【4】スタッフの叱り方絶対法則≪その2≫ 5ステップソリューション

2013年11月29日

前回の「叱り方7つの絶対法則」がご好評をいただきましたので、絶対法則≪その2≫をお送りします。

私は今まで約300人を採用・育成してきました。
その組織の90%以上が女性でしたので、たくさんの経験を積ませてもらいました。
その経験から“スタッフをやる気にさせる!”“気づきが得られる!”“業務改善につながる!”“スタッフが辞めない!”叱り方:5ステップソリューションを開発しましたので、次にご紹介します。

★ステップ1:事実関係を確認する

まずは、問題があった出来事について、時系列にそってまとめていきます。
この時、できるかぎり問題の当事者であるスタッフの口から話させることが重要です。

確認するとき、「まずはあなたの話から聞きましょう!」と、この言葉を必ず使ってください。
スタッフは「私の話を聞こうとしてくれている。自分の話をするより先に、まず私の話に耳を傾けてくれている!」と感じ、先生が聞く耳をもっていることで安心し、信頼関係が生まれます。
問題の渦中にいるスタッフの話をていねいに聞くことを「アクティブ・リスニング」といいます。
受け身の聞くではなく、積極的な姿勢で聴くという意味です。

そうすることで、「私を大事にしてくれている!」と感じ、最初は反抗的であったとしても、次第に態度もやわらかくなるものです。

当事者が1名ではなく、複数の場合には、複数のスタッフに対して、個別に「まずはあなたの話から聞きましょう!」です。

★ステップ2:認め、共感する!

事実関係を確認したら、次のステップは「相手を認め、共感すること」です。
これ抜きにはスタッフの行動を改善することは不可能です。

人はみんな「認められる」ことを大事に考えます。
おまけに女性は「共感」を重視する生き物ですから、次のような言葉をつかって、認め、共感してください。

「なるほどねぇ~、そうだったんですねぇ。あなたとしては精一杯頑張ったんですね~」

すると、自分が頑張っていること、結果がどうであれ、努力したということが認められた嬉しさで、涙を流す人も多いのです。
「わかってくださって、ありがとうございます」のような声が聞かれるくらい、しっかり認めましょう。

共感の言葉としては
「そうですよねぇ。私が同じ立場であったとしても、あなたと同様に感じたことでしょう」
といってみてください。

自分の感情を受け止めてもらえたことで、急に素直になる人が多いですから。

★ステップ3:問題のポイントを見つけ出す

ここからが、具体的な改善につながるところです。まず次のように尋ねてください。

「今回このようなことが起こってしまったけど、どこに問題があったと思いますか?」

意外にも、スタッフは冷静に問題のありかを把握していることが多く、それはひとつではなく、複数である場合が多いものです。

そして「前から気になっていたんですけど・・・」

のような前置きをして、スタッフはここぞとばかり、問題点を話してくれます。

ここでも、じっくりメモしながら、アクティブ・リスニングの姿勢で、スタッフの話に耳を傾けましょう。
ここでの発言は、医院を批判しているわけではなく、次の問題が起こらないようにするために、スタッフは一生懸命いってくれているのだと解釈し、途中でさえぎらず、ていねいに聴くことです。

★4:改善策を見つける

問題のポイントを見極めたら、ようやく改善策を見つける番です。

スタッフにはこのように尋ねてください。

「起こってしまったことは、時間を巻き戻してやり直すことはできないけれども、もしやり直せるとしたら、あの時、本当はどうすればよかったと思いますか?」

自分の話を落ち着いて聞いてもらった安心感から、ようやくスタッフも冷静になっています。
とりとめもない意見も出てくるかもしれませんが、改善策を自分の口からいわせることが重要です。
考える力をつけることができますから。

このステッフをおろそかにすると、毎回似たような問題に苦しめられ続けることになります。
「じゃぁ、どうすればよかったのか?」と、模索することでスタッフの能力が向上し、判断力のある人が育ちます。

こちらが思ったような結果が出てこないケースもあります。
その場合には「こういうやり方もあったんじゃないかな?」などと、こちらから振ってみるのも効果的です。

「あ~、いわれてみればそうですね!」などと気がつく人も多いはずです。

★ステップ5:教訓を共有する

ステップ4までで終わってはいけません。
起こった問題からは、しっかり教訓を得て、困った出来事を成仏させなくては!

「今回の件で、どんな教訓が得られましたか?」と尋ねてみてください。
スタッフの口からスラスラと出てくることはあまりありません。

「えっ?教訓?気づきって何?」みたいに、改めて混乱するはずです。
ここで、こちらが主導権を握り、次のように教訓を共有してください。

「今回のことで、私は“かれこれしかじか”という教訓を得たんだけど、あなたはどうですか?」と。

「あっ、はい、はい、そうですね!」などとスタッフがいったら、その後は「では、あなたの口から、今回どのような教訓を得たのかを聞かせてください」といい、必ずスタッフの口から得た教訓について語らせてください。
自分でいいながら、言語化し、妙に納得し、やっと理解し腑に落ち、次から未然に問題が起きるのを防ぐことができます。

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 (社)国際医療経営学会 代表理事
 吉野真由美
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