2013年11月13日
多くの方や本では「ほめろ!」「ほめて育てろ!」といいます。
それはもちろん大事なことですが、叱ることはもっと大事です。
時々、「吉野さん、私も叱りたいとは思っているんだが、叱ったら、スタッフが辞めちゃうんじゃないの?辞められたら困ると思うと、うかうか叱ることもできないんです」と心配する先生もおられます。
経験から導き出した私の答えは「叱ったら、辞めるような人は、叱らなくても、他の要因でやっぱり辞めていく」で、その時、叱っても、叱らなくても、辞めていくわけですから、躊躇していてもしかたないです。
★絶対法則1:叱るレベル
どの程度のことを叱るべきなのでしょうか?
「お金に関すること?」「行儀やマナーやコトバづかい?」などいろいろありますが、基本的に、先生ご自身の今までの常識から考えて、「ヘン!」と思ったことはすべて、叱る対象と思ってください。
それは、患者さんも「ヘン」と思っていますから。
ある先生は、足で道具を動かすスタッフを見て、おかしいと感じたそうです。
このことは、他の先生も「ヘン」だとおっしゃっていました。
そして、実際、注意を促し、改善に導いたそうです。
こういった些細なことも含めて、きちんと指摘・注意すべきです。
★絶対法則2:叱るタイミング
ヘンなことを見つけたその時か、それとも、しばらく経ってお互いの気持ちが落ち着いてからがいいのでしょうか。
答えは、おかしなことがあった「直後」です。
直後であれば、本人はそれをやったことを覚えているからです。
時間が経過すると、「私、そんなことやっていません!」と、事実そのものすら、受け入れなくなるからです。
素直に、事実を認めてもらうためには、時間が経過しないほどよく、一番よいのは「現行犯で逮捕する」だと、おぼえておいてください。
★絶対法則3:叱る場所
他の人が見ていない場所が理想です。
患者さんや、他のスタッフが見ている場所ですと、本人が「恥をかかされた」と感じ、素直になれないからです。
私がよく活用したのは、非常階段でした。
ヘンなことをやったスタッフに対し、笑顔で「ちょっといい」といい、非常階段のところにいき、立ったまま2人で話したものです。
この方法は、本当に1、2分しか時間がとれないときにも有効です。
★絶対法則4:みんなで共有
私は、叱られた本人だけでなく、ミーティングで叱った内容を共有するようにしました。
この場合、完全に名前はふせて話のです。
「先日、こんな問題がありました。名前はふせたいと思います。どこがおかしいのか?じゃぁどうしたらいいのか?みんなで客観的に考え、二度とこんなことが起こらないようにしましょう!」ともちかけました。
第三者的に客観視ができますから、スタッフもみんな感情的にならずに落ち着いて、話を聞き、自分たちの判断力・行動力を磨いていました。
★絶対法則5:叱る前に準備1分
人に伝えることほど難しいことはなく、自分がいいたいことがきちんと伝わらなかった、誤解された場合の悲劇は今さら、いうまでもありません。
喧嘩になってしまいます。
ですから、実は私は、スタッフを叱るときに、どんな言葉で、どんな話し方で、どうやって気づきを与えるのか、1分でいいので、ちょっと冷静になって考えて、伝えたいこと、伝えたい順番や言い方をちょっとメモしてから叱るようにしました。
両方が感情的になってこじれては、元も子もありません。
★絶対法則6:最初に事実を確認しよう
「ついさっき、あなたは○○さんに対して、このような言い方をしましたね?」「○○をこのように扱いましたね?」など、相手の言動を確認します。
ここで「はい、やりました」「はい、そういいました」など「YES」を取っておきましょう。
事実を確認しておかなければ、やった、やらないの水かけ論になりかねません。
そして、けっして責めてはいけません。
単に事実を確認するだけにします。
★絶対法則7:「もっとよいやり方があるんじゃないかな?」
叱るときの禁句があります。
それは「なぜ、○○したの?」「どうしてこんなことするの?」「何回いったらわかるんだ?」です。
これらの言葉からは、何の解決も見いだせません。
いわれたスタッフは「なぜっていわれても・・・」と黙ってしまうだけです。
スタッフの考える力を磨き、叱るのに適した言葉は、次のような問いかけです。
「さっき、こんなことしたよね?(いったよね?)もっとよいやり方があるんじゃないかな?(もっとよい言い方があるんじゃないかな?)」
「どうしたらいいですか?」とスタッフが聞いてきたら、「私だったらこうするけど、あなたはどう思う?」と尋ねてみてください。
これで、スタッフの判断力を育てることができます。
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(社)国際医療経営学会 代表理事
吉野真由美
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