2014年10月03日
今回の連載のテーマは「プロになろう!歯科衛生士の5つのこだわり」ですが、
第1回目は、自分の人生、歯科衛生士人生を豊かにするために、
自分を見つめ直してみることをテーマにお話しさせていただこうと思います。
私は、歯科衛生士としてやりたいことが見つかれば、好循環の人生をおくることができると考えるからなのです。
そこで、対照的な2人の歯科衛生士さんを紹介しましょう。
<やりたいことが見つからない愛子さん>
愛子さんは、アルバイトをしたり、友達と集まったりしながら学生生活を過ごしてきました。
いよいよ卒業まじか。
就職先を考えたとき「自分は今後、歯科衛生士としてどんな仕事をしていきたいのか」迷っていました。
両親からは、大型でスタッフの多い歯科医院に就職することをすすめられました。
確かに、たくさんのスタッフが働いている歯科医院は、多くの仲間と学ぶことができ、仕事を通して成長できるチャンスも多く、毎日、刺激をもらえ、楽しい時間が過ごせるかなと思ったものの、どうも自分の中でしっくりきませんでした。
先輩に「自分の勤めたい歯科医院が見つからなくて困っているんです」と相談してみると、自分の性格を分析してみたら?とアドバイスをもらいました。
過去に楽しかったことを振り返り、いろいろ考えました。
自分は子どもが好きだったことを思い出して、小児歯科に就職したいと考えました。
そこで、小児専門医院ではないが、子どもが多く通う歯科医院に就職を決めたのです。
しかし、就職し、仕事をしていく中で、毎日忙しい生活に追われ、帰宅しても疲れているせいか何もしたくなく、休日もゴロゴロしてしまう日々。
ふと気づくと、やりがいを感じることが何もありません。
満たされない生活の中で3年をむかえた愛子さんは、転職したい気持ちに駆られていました。
しかし、依然として自分が何をしたいのかまったく答えを見つけておらず、考える時間をもつくることができない毎日を送っているだけでした。
“充実感”とはほぼ遠い生活を送っています。
「何がやりたいのか」「どう生きたいのか」「どんな仕事が自分にあっているのか」まったくわからないという愛子さんのようなパターンは、やりたいことが見つからない人に多くみられます。
自分で無意識に心にブレーキをかけてしまっているのです。
それは「自分には無理だ」「親にいわれたから」「反対されるので行動できない」「考える時間と余裕がない」というブレーキです。
このブレーキで、自分の中にあるやりたいことを自分で止めてしまっているのです。
しかも、これはほとんど無意識で行っているので、そのうちに自分の中で考えることすらできない状況となってしまうのです。
<やりたいことが見つかった梨恵さん>
梨恵さんは、愛子さんと同じ学校のクラスメートです。
愛子さんと同じ時期に就職活動をスタートした梨恵さん。
学生時代から歯周治療を行っている歯科医院に勤めた先輩にあこがれていて、いつか自分も先輩のようにバリバリ現場で働きたいと思っていました。
そのためか、学生時代から、セミナーに参加し勉強をしたり、先輩のすすめる本を借りて読んだりしていました。
「国家資格の歯科衛生士になるのだから、しっかり取り組むことができる現場は、どんなところだろうか?」と空いている時間に喫茶店で考えてメモをし、雑誌に掲載されている歯科医院やインターネットで検索した歯科医院には、積極的に見学にいくこともいといませんでした。
ある日、たまたま訪問した先のクリニックで院長先生が、患者さんと会話をしていました。
笑顔で楽しそうに話しています。
患者さんが笑顔で、話をしているところから目が離せず、なんとなく雰囲気の違いを感じたので、先生に何を話していたか聞いてみました。
先生は、「技術的なことだけにとらわれず、あなたが人(来院者)とかかわる時に大切なことがたくさんある、その人に人生に関わる大切なこと」と教えていただきました。
その時、自分は技術と同じように、人間的にも向上できる歯科医院に勤めてみたい、という気持ちがわいてきました。
けっして大きな歯科医院ではないけれど、来院されている患者さんに対しての対応や関わり方をみて、どうしてもこのクリニックに就職したいと就職を決めたそうです。
その後、技術の向上はもちろんのこと、患者さんに求められることが多い梨恵さんは、先生と一緒に地元の方への講演活動や、イベント活動を行い、情熱を燃やして遅くまで働いていました。
またそうした中でも、お休みは趣味のお花や、読書、デートにと時間をさいて、公私、心身ともに充実した日々を送っています。
梨恵さんは自分が面白い、ワクワクすると感じた方向に行動して、新しいチャンスをつかんでいきます。
自分の感情を手がかりに行動することで、やりたいことが見つかり、どんどん情報も集まり、人とチャンスが引き寄せられてきます。
実は、このように「考えるのではなく」「感じる」ことで、やりたいことは見つかります。
自分が面白くワクワクすることを大切にして行動すると、さらに感情が大きく動きはじめます。
良い流れとは、どんどんそのように感じる道をすすめばいいのかと思います。
<やりたいことに出会うための3つの方法>
愛子さんと梨恵さんは、学生時代から3年間で大きく人生の差ができました。
これは結果という意味ではなく、人生に対しての満足という観点です。
この差は、やりたいことに出会えて、行動したかどうかの差です。
では、やりたいことを追及していくためにはどうしたらよいでしょうか。
具体的な方法は、連載の中で紹介していきますが、私が考えるのは次の3つです。
(1)外(周り)ではなく、自分の心の中に答えを求めること
(2)「心のブレーキ」を外すこと
(3)よい変化の連鎖を生み出す習慣を身につけること
実は、私自身、歯科衛生士として働き始めていた頃、やりたいことが見つからず悩んでおりました。
当初は満たされない毎日に「もっと違う生き方があるのではないか……」「このままでいいのだろうか……」「自分は歯科衛生士として何をしたいのか……」と迷うことばかり。
現在、私は、エイチ・エムズコレクションという会社と出会い、自分のやりたいことを行っています。
やりたいことは必ず見つかります。
あなたの人生は、あなた自身が探し求めるしかありません。
「みんなが考えているよりずっとたくさんの幸福が世の中にはあるのに
たいていの人はそれを見つけられない」――メーテルリンク――
この言葉は、尊敬する方からいただき自分が立ち止まった時に見直すことにしております。
私は、これからもワクワクを感じて進んでいきたいと思います。
(有)エイチ・エムズコレクション
副社長
歯科&美容プロデューサー
歯科衛生士
北原 文子
⇒ http://www.m-dental.com