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プロになろう!歯科衛生士の5つのこだわり【3】患者さんに対してのこだわりとは

2014年10月30日

私は全国の歯科医院に訪問し、院内研修や相談を受けたりしますが、今、歯科医院において、病院の経営改善の源泉として患者さんの満足度向上が大きなテーマとなっているように感じます。

そこで第3回目は、患者さんから選ばれている歯科医院が実践している、患者さんの立場に立った「気配り」についてお話しさせていただくことにします。

歯科医院の院長より「スタッフに対して接遇教育を熱心に取り組んでいるが、実践に結びつかない。
患者さんの満足向上を実践させている他の歯科医院の取り組みを教えてほしい」というご相談を受けることがございます。

患者さんの満足向上を実践させるために、スタッフの接遇が重要とされ、「正しい言葉づかい」「美しいお辞儀・対応」など熱心に実施していますが、接遇の良い歯科医院とそうでない歯科医院に差はあるのでしょうか。

私は、それは「気配りの差」だと感じています。
「気配り」とは、いろいろな解釈がありますが、私は、相手の気持ちを感じとり、相手の立場になって、何ができるのかを考え行動することだと思っています。

これまでたくさんの歯科医院を見てきて感じることは、スタッフがいくら正しい言葉づかいを身につけ、敬語をつかっていても、美しいお辞儀や立ち振る舞いを身につけていても、「気配り」を欠いた単なる患者対応で止まっている歯科医院では、患者さんの満足度は低くなってしまいます。

歯科医院に求められるのは、来院される患者さんの抱えている不安に対して、その不安を取り除くために、各スタッフが、患者さんの立場にたった「気配り」を行っているか否かです。
そこが、プロであるか否かの分かれ目といってもいいでしょう。

以前、弊社で行ったアンケート調査から、患者さんが歯科医院を変更する理由は「医院に対する不満」ではく、歯科医師やスタッフに対して不信感・不快な印象を抱いた時、コミュニケーションが不十分な時でした。
とくに医院を変更する時の理由に、技術レベルの低さ、歯科医師の説明不足、歯科医師の立ち振る舞いなどがありました。
先生方が説明をしていないわけではないのですが、患者さんに思った以上に伝わっていないことが多くあるようです。

歯科医師が限られた時間で、患者さんを診て満足をいただくのは大変なことなのです。
だからこそ、歯科医師・歯科衛生士・コメディカル・受付・歯科技工士など、医院に携わるスタッフ全員が、患者さんをさまざまな角度・立場から診る姿勢・体制をつくることで、歯科医師にかかる期待を医院全体にシフトさせることが重要だと考えます。

では、まず患者さんの立場に立った「気配り」とは具体的にどんなことでしょう。

≪患者さんへの気配り≫

その1:診療開始前はできるだけ患者さんをお迎えにいくこと。

来院されている患者さんに「おはようございます(こんにちは)。
本日担当する歯科衛生士○○です。よろしくお願いします」と、待合室に出て挨拶をしましょう。

その2:お呼びする際、ねぎらいと感謝の言葉をそえること。

患者さんは順番を待っています。その際、不安や緊張をもっています。
「お待たせいたしました」のねぎらいの言葉を伝えましょう。

その3:目線を合わせて言葉をかけること。

患者さんは不安や緊張をもっています。
不安や緊張を解きほぐすために、相手に目線を合わせ言葉をかけてあげましょう。
とくに初診の患者さんは、院内での行動のとり方もわかりません。
待合室などで椅子にお掛けいただく際にも、手で指示して「こちらに、お掛けください」や「お荷物はこちらに置いていただけますか?」などを、依頼形でお伝えするとよいでしょう。

次に、患者さんとのコミュニケーションとは、具体的にどんなことでしょう。

≪患者さんとのコミュニケーションの工夫≫

その1:名前を呼ぶこと。

一見、当たり前と思われがちですが、実際できていない歯科医院が多いもの。
「○○さん、おはようございます」「○○さん、お大事に」「○○さん、麻酔をしますので少しチクっとしますよ」など、患者さんの名前を呼んで挨拶をしましょう。
名前を呼ぶことは良好な関係づくりの第一歩です。

その2:患者さんの近況を覚えて話題にすること。

ご家族で通院されている方や、近況などその患者さんがお話されたことを記録して、次回、来院されたとき話題にします。
「前回来院されたときにお話ししていた○○はいかがですか」など、患者さんとのコミュニケーションを継続して持つようにしましょう。

その3:患者さんを医院全員で診ている気持ちを持つこと。

歯科医師だけでなく、歯科衛生士・コメディカル・受付・技工士など、スタッフ全員で患者さんとのコミュニケーションをとります。
歯科衛生士やコメディカルは、歯科医師の説明などのフォロー、受付スタッフには、患者さんの近況記録、待合室で長時間待っている患者さんへのフォローなど、医院全員で患者さんを診るという意識で診療を行っていきましょう。

患者さんとのコミュニケーションを工夫することは、今後の患者さんへの応対や関わり方を考えるうえで大切なことです。

患者さんとのコミュニケーションを工夫することで、良好な関係を築く歯科医院には、その医院で診てもらい続けたいと願う患者さんが数多く集まり、患者さんが患者さんを呼び、口コミが生まれていきます。
是非、自分の歯科医院にあったやり方で、患者さんとのコミュニケーションを工夫し、良好な関係づくりにトライしてみてはいかがでしょう。

(有)エイチ・エムズコレクション副社長
歯科&美容プロデューサー 歯科衛生士
北原 文子
⇒ http://www.m-dental.com