2006年11月20日
医療事故の報道を頻繁に耳にするこの頃です。医療界に安全管理の重要性を徹底させると同時に、医療ミスへの法律問題と事故への対応をしっかりと知る必要があります。
医療安全確保のためにもはや医療従事者にとって法律を理解することは避けて通れない時代になってきました。患者さんに対して安心・安全な質の高い医療を行うためにも、正しい医療法等に関心を持つことをお勧めいたします。
今回は医療事故に対しての行政処分の変更についてお話しましょう。まず、基本的な法律上の責任について。
法律上の責任には民事・刑事・行政という3つの責任があります。
例えば医療事故の場合、民事責任とは患者さんへの損害賠償金の支払いなど。
刑事責任は医療従事者の禁固や懲役刑。
行政責任とは医業停止や医師免許の取り消しなどの行政処分が挙げられます。
この行政処分について、医師と歯科医師は2007年度から薬剤師や看護師には2008年度から厳格化されるのをご存知ですか?
今まで行政処分は「免許取消」と「業務停止」の二種類で「戒告」は行政指導の範囲で行われていました。しかし、過失が小さく刑事事件に発展しない事故については処分の甘さが指摘されていました。そこで新しく「戒告」が行政処分として加わり、軽いミスも責任を明確にすることになったわけです。
つまり「免許取消」といったレッドカードが出される前の過失が小さい医療ミスにもイエローカードが提示されるわけです。
「戒告」の処分対象になると「医業停止」「免許取消」の処分と同様に再教育が義務付けられます。
厚生労働大臣から出される倫理研修と技術研修の受講命令をうけ再教育の終了認定を経て医籍い記載され復帰が可能になるわけです。
現在どのような行為が「戒告」に相当するか、詳細を検討会で詰めている状況です。安全管理の徹底を怠らないことはもちろんですが、医療従事者への医療法の改正情報にも気を配っていく必要がありますね。