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患者さんの信頼を得る説明の仕方【1】説明前の準備をしっかり」

2012年04月02日

みなさま、こんにちは。山岸弘子です。お久しぶりです。
今回の連載では、今後歯科医院が伸びていくために欠かせない、患者さんへの「説明力向上」についてお伝えしていきます。

【1】 まずは信頼されることがスタート

「あの先生はわかるまでていねいに説明してくれる」「わかりやすく説明してくれる」などという患者さんの声が、あちらこちらから聞こえてくるようになりました。
「説明力」が患者さんにとっても、評価の対象の一つになってきているからでしょう。
それでは、歯科医院ではどのような説明力が求められるのでしょうか。
歯科医院での説明に求められるのは、「わかりやすさ」のひと言につきます。
わかりやすく説明するためには、「わかりやすく伝えよう」という熱い想いと、説明のための準備が必要です。
わかりやすい説明をするためには、7つの観点からの準備が必要になりますが、その前にもっとも大切な準備があります。
それは「信頼される人」になるということです。
一朝一夕にできる準備ではありませんが、もっとも大切な準備です。
仮に患者さんに「この人はなんとなく信頼できない感じがする」「信用できない感じの人だな」などという印象を持たれてしまうと、どのように一生懸命に準備し説明しても、徒労に終わってしまうからです。

【2】 信頼される人になるための3S

「信頼される人」になるとは、大きなテーマですが、まず患者さんに対しては3Sを心がけます。
3Sとは、以下のとおりです。

・誠実……私利私欲をまじえず、真心で患者さんに接する。
・親身……患者さんの肉親であるかのようにこまやかな心づかいをする。
・最善……自分のベストをつくして患者さんに接する。

そして、一貫性を保つことが必要です。
ある日は気分がいいから3S実行、ある日は疲れたから3S不実行では信頼はされません。

【3】 7つの視点から説明を組み立てる

次に7つの視点から準備すると、わかりやすい説明を組み立てることができます。
1・なぜ説明するのか
2・だれに説明するのか
3・いつ説明するのか
4・どこで説明するのか
5・なにを説明するのか
6・どういう立場で説明するのか
7・どのくらいの時間で説明するのか

「2・だれに説明するのか」について、「患者さんに決まっているでしょう」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、一口に患者さんといっても十人十色です。
性別・年齢・タイプ・健康状態・精神状態、そして何よりも一人ひとりの患者さんの理解度に合わせて説明をすることが大切です。
説明とひと言で言っても、このように考えるべきことや準備すべきことがたくさんあります。
簡単ではありませんが、考える時間や準備する時間をかければかけるほど、説明力がついていきます。
次回以降で、具体的にお伝えしていきます。

NHK学園専任講師
山岸 弘子