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税金の話 ~その4~ 「歯科医院の会計の話」

2007年11月05日

■ 財務会計 ■
では、つかんでおいて頂きたい情報とは、何でしょうか?今、現金がいくらあるかということも大切なのですが、どこをどうしたら、財務諸表の数字がどう動くかが、ポイントです。でも、その前にもっと大切なのは、利益がどう動くかなのです。

ここにある歯科医院があります。
医業収益(売上)  1000万円
経費        800万円
医業利益      200万円
を、昨年の結果だと簡略化して考えます。

では、努力の結果 医業収益が倍の2000万円になりました。さて、今年の医業利益はいくらになるでしょう?
 
 
■ 損益分岐 ■
単純に200万円の倍の400万円にはならないことは、もうおわかりだと思います。医業収益が倍になったからといって、経費が倍になるとは限らないからです。

【ケース1】
例えば、この2000万円をスタッフ1人増員することによって達成した医院は、変動費(外注技工費と歯科材料代)の増加分と、スタッフ1人分の給与と、少々の固定費(その他費用全部)の増加が、前年の経費800万円にプラスされることになります。

医業収益(売上)  2000万円
経費        800万円+上記増加分

ですから、医業利益は、上記増加分が仮に500万であったとすると、
医業利益      700万円
となります。

【ケース2】
また、スタッフをもっと増やし、設備を替え、経費部分が1200万円かかったとすれば、医業利益は〝0”になってしまいます。
 
 
■ 固定費と変動費 ■
変動費は、使った分だけ増えますが、固定費というのは、段階的にあがっていきます。

【ケース1】の場合、この2000万円の達成が、もとのスタッフだけで達成できたなら、医業利益は700万円よりもっと大きな数字になります。

固定費が、次のスタッフを1人採用するなどの大きな変化のあるポイントまで一定のままなので、医業収益(売上)が増えたら増えた分だけ利益が増えることになるからです。

【ケース2】の場合、経費の1200万円が、将来への先行投資であれば、何年か先に医業利益がもっと大きな数字となって反映されます。