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変な院長が書いたモチベーションを高く保ち続けるしくみ作り 『意見が反映するしくみ』

2007年05月07日

当院には「TT」の時間があります、TTとは、Thinking Timeの略です。つまり、「考える時間」スタッフが診療時間内に30分間の時間をとり、別室で一人きりで医院のこと、改善点や問題提起、提案をシートに記入します。そうすると、今まで出てこなかったアイデアや提案が提出されて、よいものはどんどん医院に取り入れられます。
スタッフに対して「もっと医院のことを考えてほしい」と思う院長は多いと思います。ただ時間が過ぎるように黙々と作業をこなすスタッフよりも、向上心をもって医院のために何かアイデアや意見を出してくれるスタッフのほうがいいですよね。その意見は、時には生意気に聞こえたりするかもしれませんが、それはスタッフなりに考えたことです。まずはその意見や提案を『聴く』ことも院長や幹部スタッフの大切な仕事の一つでしょう。常にアシストや衛生士業務に追われているスタッフに、提案を求めてもなかなか意見は出ないかもしれません。まずはその時間を確保することも一つの試みです。
「TT」の時間を作ることで、毎日の診療に追われてついついそのままにしていたことや、少し変えるだけでぐんと効率が上がるアイデアが出てきます。それもそのはず、現場で働くスタッフがよりよく働くために考えた案なので、とても実用性があるのです。
そこから出てくる案には、ほんとにささいなこともあります。例えば「掃除の途中でも雑巾や洗剤は、患者様の目につかない場所に置くようにしたほうがよい」この意見は、よくよく考えてみれば当然のことです。しかし、私たちは何事にも慣れてしまいます。「気にはなるけど、あとでいいか」「最後に片付けるから」と、雑巾が患者様の目に触れることにも慣れてしまいます。毎日繰り返す動作の中で、外からみれば「おかしいな」ということが、医院内では「普通」になってしまっている・・・。これは歯科医院に限らずあるのではないでしょうか?
こういった細かなことに気づく心や、それを思い切って発表、提案、改善する気持ちが大切です。小さなきっかけがスタッフ全員に浸透し、医院のルールになります。意見が反映されるというのは、スタッフにとって「認められる」ことです。医院に貢献している、チームの一員である、という意識がどんどん高まります。
「TT」の時間をとることで出てくる問題として、担当衛生士のアポがとれなかったり、アシストが足らなかったりすることがでてきそうが、TTはわずか30分間です。全員が同時にTTをするわけではなく、比較的アポに余裕のある時間帯に一人ずつなので、それほど問題はないかと思います。「TTシート」には、あらかじめいくつかのテーマや項目を書いておきます。例えば、そのスタッフに時間があるときにする「やることリスト」や自分以外のスタッフが取り組むプロジェクトについての意見、時には「身だしなみに関して自分や他のスタッフに対してどう思うか」「前回のTTで出た意見についてどう思うか」などです。決まった項目について考えてもらうといいと思います。「やることリスト」はスタッフが自分自身に課するリストなので、書き出すことによって、スタッフ自身も取り組んでくれると思います。アポが空いているときにプラプラしているスタッフを見てイライラすることも減りそうですよね。