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ふしぎ・ふしぎ 咀嚼と健康 ~その16~ —人相学から歯を考える—

2005年04月04日

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「額は初年運を表し、目から鼻は中年運を表し、口元は晩年運を表す。」
人相学の本にはこのように表現されている。

額は遺伝的な要素が強いそうだ。“おでこの広い子は、将来賢くなる”と言われるのは、そんな意味なのだろう。

目は、“心の窓”と言われるように心の内面を表し、鼻は文字通り“人生の花”である財運や夫婦運を表している。

いずれにせよ“目が中年運を表す”ことは、最も仕事ができる時には、生き生きと目が輝いていることから言われたのであろう。

一方、口元は晩年運を表す。これは容易に想像できよう。

歯が丈夫でなんでも噛めると、老いてますます意気盛んだろうし、歯を失い噛めなくなると、老い先短いということか。

なにしろ人相学は、古代中国で誕生し3000年の歴史を持つ。
硬い食べ物を食べていた古代人にとっては、まさに“歯が命”であったのだろう。

豊かな顎は生命の源なのだ。

しかし、現在では歯科医学の発達で、豊かな顎を取り戻すことができる。
 
 
ところで人相学が語るように、80歳で20本の歯を持つ方は、他の方と比べ、歯科以外の医療費が年間約50,000円も安いという調査がある。

年間5万円の差は、老後において大きな差だ。

噛める歯を持っておられる方が、内臓が丈夫で健康であることがわかる。

良い歯を保つことは、未来に対する投資なのだ。

そこで年齢と食べ物を消化・吸収する能力の変化について調べてみた。

年齢と共に:
(1)唾液や胃液など消化酵素の分泌が減ってくる。
(2)胃腸の中で食べ物を送り出す、ぜん動運動も落ちてくる
(3)糖分や脂肪分の吸収も悪くなる

どおりで年取ると、食べられなくなるわけだ。

胃酸の量は、50歳では約25%、80歳で約5%にまで減ってしまう。

若いときは、体も若い。あふれるように消化液も出る。だから噛まなくても、体への負担が少ないかもしれない。

ところが年とともに、食べ物を消化・吸収する力が低下する。

その時こそ、真に噛める歯が重要になるだろう。

医学の進歩と共に、人生50年時代から80年時代へと寿命の延びた分、生き生きとした人生を送りたいものだ。

歯は、直接「いのち」に関わることは少ない。しかし健康で快適な生活を、より長くおくるためには必要な器官なのだ。
 
 
( 岡崎先生のホームペ-ジ http://leo.or.jp/Dr.okazaki/  )