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歯科医療におけるレベルアップ(3) 【子どもの心に貯金をして帰す】

2003年09月16日

あなたの診療室に来院した子供たちは、どんな顔をして帰っているでしょう。
笑顔で帰っていますか?泣いて帰っていますか?

笑顔で帰すことを“心に貯金をして帰す“と言います。“心に貯金”をすると、次にきた時にはもっとおりこうになります。

一方泣いて帰すことを“心に借金をして帰す”と言います。“心に借金”をして帰すと、次に来た時にはもっと大泣きをし、ますます治療が困難になります。

借金は、まるでサラ金のように膨れ収拾がつかなくなります。いずれは来院されない患者さんになります。未来の患者さんを失うことにつながります。

 

そこで今回は、心に貯金をして帰す“極意”をお教えいたしましょう。

それは診療終了後、握手をして帰すことです。恥ずかしがってはいけません。

さて大人でも歯科治療は嫌なものです。しかし大人は、それが自分のためであることが理解できるので治療を受けます。

その大人でさえ、“歯を抜かれた”“削られた”“つめられた”という表現をします。

一方、子供が歯の治療が自分のためであることは、4歳程度の理解力が必要です。

もっとも、痛みを与えないことと同時に「歯科医は、悪い虫を退治してくれる味方である。」ということを教える必要があります。

だからこそ、頑張ったことを誉めながら握手をすること大切です。

握手は、子供に対するメッセージです。

 

例えば、治療で大泣きした子供がいたとしましょう。言葉がけや握手をせずに帰れば、歯科医院での嫌な思いでだけ残ります。

でも、もし握手をすればどうでしょうか?

握手をするためには、歯科医療従事者自身も笑顔にならなければなりません。

その様子を見た保護者は、どう感じるでしょうか?

握手がなければ、大泣きしている中で無理やりに治療されたと感じます。

でも握手をしている光景を見れば、我が子は泣いていたが、ここの歯科医院では一生懸命に治してくれたと感じるでしょう。

さらに、その様子を見た他の患者さんは、どのように感じるでしょうか?
きっとその光景が、ほほえましく映ることでしょう。

それが地域でも評判になるかもしれません。

握手をすることは、これだけの意味があるのです。さあ是非!あなたも子供たちと握手をしてください。

 

帰るときにはどんな顔をしていますか?

笑顔泣き顔