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楽しき哉!ことばの道草 ~第5話 希望という宇宙へ小旅行~

2003年03月03日

“大陸移動という観念をわたしが思いついたのは、1910年のことであった。それは世界地図を見て、大西洋の両岸の海岸線の凹凸がよく合致するのに気がついた時であった”<ヴェーゲナー>

宇宙空間から地球を見つめた人類(宇宙飛行士)は、世界に何人いるのだろう。二百人は下るまい。地図と肉眼では、地球の印象はまったく違って見えるはずだが…。

このヴェーゲナーという人、よほど好奇心旺盛なんだろう。この大発見の時、ワーッと大声を出したのかニンマリしたのか…。そんな想像をしながら、世界地図をしげしげと睨んでみるのである。

“自然は曲線を創り、人間は直線を創る”<湯川秀樹>

2002年10月、物理学賞に小柴昌俊、化学賞に田中耕一の両氏がノーベル賞に輝いた。湯川秀樹氏から野依良治氏までの10名に続き、日本人の受賞者は12人になった!

ところで、“自然は曲線、人間は直線”の真意は?…。自然と人間をつなぐ人類の英知、それが科学なんだ、そう博士は言いたかったのではと、分かったつもりなのだが。

“相手の人生をもらい、自分の人生も差し出す。撮影というより人生の交換さぁ”<石川真生>

沖縄にこだわり、その半生を撮り続ける写真家がいる。会ったことはないが、カムイミンタラ(神々の楽園)に根をはる気骨ある、いかにも人間臭い人物に違いない。 

数年前、石垣島に渡った。“島じゃ、蛇口をひねりぁ酒が出る”とカラカラと快活に笑う男がこう言った。

“海人(うみんちゅ)の島酒にぁ、クブシミ(甲イカ)や八重山かまぼこ!美(ちゅ)ら島は、ほんに命の洗濯所だぁな”。

“大切なのは普通の語で非凡なことを言うことである”<ショウペンハウエル>

“哲学者たちにとって最も難しい仕事の一つは、思想の世界から現実的な世界のなかへ降りてゆくこと”と諭したのはマルクスだった。

エンゲルスも負けじと“哲学者たちは世界をさまざまに解釈したにすぎない。大切なことはそれを変えること”と警鐘を鳴らした。

ところが、世間には単純明快なことを、ことさら複雑難解に話す人たちがいる。困ったものだ。それが政治家や役人ならもっとタチが悪い。

“政治家は1本のローソクたれ”<河本敏夫>

政治家は身を焦がして世を照らせと叱咤激励するこの寸哲、なかなか希望に満ちた非凡なる名言と思うが、いかがだろう。

希望は希望の生みの母だ。光合成を繰り返しながら、希望という栄養素をせっせと取り込んで、ゆっくりと成長していく…。希望という宇宙への旅に終わりはないのである。

次回は、食と平和にこだわりつつ、きらめく言葉の楽園へ遊覧飛行!と洒落込むつもりでいるが…。

“水のように澄んだ空が星を浸し、星を現像していた。しばらくすると夜が来た”<サンテグジュペリ>
 
 
“分けいっても分けいっても青い山”<山頭火>