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社会人のマナー講座(5) 目標設定について

2002年08月05日

4月に迎えた新入職員のかたも、社会人としてはじめての《夏》を過ごしているころと思います。オフィス街でも、何となく、着慣れていないスーツ姿の新人君が、少し、落ち着いて大人になったような感じに見える頃です。

一応、一通りの基本的業務は理解でき、実践できている・イレギュラー業務も、自ら尋ねるようになり患者さんへの会話もスムーズになっているようだ・・・・、先生方の目にはこのように映っているのでしょうか?

心配なのは、少し慣れてきた頃の、雑な業務内容、油断が起こす失敗です。

緊張でいっぱいの4~6月に比べると、多少要領よく事をこなせるようになってきたからこそ起こるアクシデントです。

今回は、そのアクシデント対応と予防のための施策
(1)目標設定
(2)クレーム応対
についてふれさせて頂こうと思います。

4月入職のスタッフへはこの時期、目標設定をすることで更に新しい緊張感を与えたり、仕事のクオリティーを高めることが役立つのではないかと思います。

目標設定といっても、「最近、君も業務に慣れてきたから、〇〇〇業務を任せるので、やりなさい!」という、上から下へ、一方的に降ろす指示的目標設定だと、せっかくの緊張感を与えるチャンスを失ってしまいます。

まずは、この数ヶ月を振り返ることからさせましょう。

院長「どうですか?もう、夏ですが、今現在の状況は?」
(以前、お伝えしたオープンQを使用します。)

新人「はい!やっと、何とか慣れてきてがんばっています!」

院長「そうですか。慣れて、業務もつつがなくこなせるようになりましたか・・・・。がんばっていますね(よいところは、具体的に〇〇ができて、評価していますと伝えてください)。ところで、そろそろ君にも個人の成長目標をもってもらおうかと考えていますがどうでしょう?(ここも、オープンQ)」

新人「え?目標? そんな、自信ありません・・・・。」

まずは、こんな切り出し方で、話し始めてください。

その上で、
(1)自分が、今後どんなふうになりたいか?
(2)現在、どんな業務に興味が高いか?
について取材(ヒアリング)してください。

おそらくスタッフから出てくるのは、自分が想像するゴール、つまり自分がみている目標です。その目標は、あくまでも先生から与えたものではなく、自らが設定した目標ということが重要でキーポイントになります。

その目標を明確にし、そこに到達するために、何が必要かを、また確認します。つまり、目標達成のために必要な資源を確認するのです。

人? 物? 金? 時間? 知識?

その資源利用のための方法は一緒に考えてあげるか、準備の手助けをしてあげてください。

それが決まればあとは、いつまでに、どこまでを積み重ねていくかというスケジュール決定です。期限を切る、ということです。

院長「では、君は、1人で患者さんのブラッシング指導ができるようになりたいんだね?(目標設定)その為に、先輩の〇〇さんの指導場面を多くみたいんだね?(資源確認)。よし、ならば、9月末までに(期限をきる:勉強する最終期限設定)、〇〇先輩の指導場面に、5回参加してもらおう。そして、その後、私に歯ブラシ指導をしてもらい、OKなら、実際に、君にも歯ブラシ指導を任せよう!
どうですか?」

いかがでしょうか?これなら、自ら行いたいという業務の目標設定を自ら、立てたということで、一方的な目標指示ではありませんよね?このような場合、新人である彼女は、この秋までの5回の指導場面参加を必死に行うに違いありません。そうする行為が、業務に緊張感を与え、他の業務にも精が出るのではないでしょうか?

例に挙げた内容が適切かどうかは、わかりませんが、一度、自己目標設定をさせてみてください。但し、必ず、結果の評価・振り返りは必要となりますので、お忘れなきようにお願いいたします。