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リンガライズの話と咬合接触面積の話 -人工歯配列について

2002年05月06日

咬合採得までが終了したら人工歯の配列に移ります。

そこで先生方に今一度考えていただきたいことがあります。

それは義歯が口腔内で機能を発揮する際に咬合力を最初に受けるところであり、その力を義歯床に伝達する、最初の場所(部位)であるということです。

よって、この力を受けるところの形ひとつで、咀嚼時の義歯の動揺を抑えたり、増加させてしまったりします。

人工歯配列の方法は、先人たちが数多く述べられている法則に従って、行っていただくことがまず大事なことであり、それを実行していただきたいと思います。

ですから今回は、筆者が採用している「リンガライズドオクルージョン」に基づいて配列した際の、長所や短所について述べてみたいと思います。

まず咀嚼運動中には食塊が人工歯の上に存在し、その後それを噛む行為へと移行します。

その際に食物の流れが問題になってくる、すなわちスムーズに流れるか否かが義歯の動揺に大きく関与してくるように思えます。

「リンガライズドオクルージョン」を採用すると、上顎の機能咬頭が下顎の咬合面の中心窩に垂直に収まります。

そうすると、上顎の頬側咬頭がわが大きく開け、食物の流れがスムーズになるだけのスピルウエイが確保できています。

そして人工歯の咬合接触面積は、小臼歯より後方に移るに従って徐々に小さくなるように設計しておきます。

これにより、咀嚼運動時の義歯沈下量、および浮上量を抑制することが報告されています。

この設計と同時に、人工歯の頬舌径を狭めることも、義歯の動き量を制御する一要素になります。

たとえば、対合歯が天然歯の場合には、その頬舌径の6から7割に設定するとよいといわれています。

しかし、この接触面積が小さいことで咀嚼効率が下がることは否めませんが、義歯の動揺度が少なくなるため、残存諸組織に異害作用を及ぼすことが少ないので、オクルーザルテーブルの上に何度も食塊をもっていって、効率の悪さを数でカバーすればよいと考えます。

筆者は、義歯の動きを機能時にできる限り抑えて、残存諸組織を守ることが大事なことであると考えてこのような配列および設計を試みています。