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訪問歯科診療をうまく進める為の留意点【6】今後の訪問歯科の需要は増える一方!

2011年12月19日

最終回の今回は、結びに代えて「今後の訪問歯科の見通し」を考えてみることにしました。
今後も訪問歯科は、日本社会の高齢化にともない、さらに需要が伸びていくことは間違いありません。
ただし、訪問先を「介護施設」と「居宅(自宅)」で分類すると、介護施設については、すでに施設の開設時に協力医療機関として歯科医院が決まっており、これから既存の介護施設に、訪問歯科で参入することは難しいかもしれません。

一方で、居宅に関してはまだまだ需要は増えていきます。
訪問歯科の対象となる要介護者の割合は、75歳以上の後期高齢者が約85%ともっとも高いのですが、この75歳以上の人口が、今後どのように推移していくかを見ていきましょう。

国立社会保障・人口問題研究所によると、2011年現在で約11%ですが、2020年15%、2030年20%と、この割合はどんどん増えていき、どこでこの割合が減少するかというと、なんと今から55年後の2066年の約27%まで増えていくのです(すでに2050年には4人に1人以上が75歳となります。正直、私にはそんな社会が想像できませんが・・・)。
その点から考えると、少なくとも先生自身が現役を引退されるまでは確実に、訪問歯科の対象層である75歳以上の高齢者が増えていくわけです。
もちろん、そのときの保険制度が今と同様のものであるはずはありませんし、国としても医療費の抑制を考えることでしょう。

しかし、現段階においても「国は医療費を抑制するために在宅医療を推進している」ことをご存知でしょうか?国としては、高齢者の最期を病院内で迎えるよりも、自宅で迎えてもらったほうが、医療費が相対的に安くなるという試算を出しています(日経新聞の記事によると、厚労省は在宅医療を増やすことで、病院での死亡率を1998年当時の82%から、60%に引き下げれば2025年度に約4千億円の医療費抑制効果が期待できるとしています)。

したがって、今後も訪問歯科分野での診療報酬改定については、施設での点数は下がるかもしれませんが、居宅の点数は他の点数と比べると下げ幅は低いものと思われます。
こうしたことから考えると、今後もさらに訪問歯科のニーズが高まっていくと考えられませんか?

第1回のメルマガで、訪問歯科の効果として売上アップや規模拡大につながることを述べました。
そのときは書きませんでしたが、まったく別の訪問歯科の効果を私たちが訪問歯科導入のサポートをする中で感じています。
それは、歯科医師も歯科衛生士も、訪問歯科に携わった方たちの「仕事に対しての充足感」です。
これは想像でしかありませんが、自分たちの助けを待っている人たちが身近に存在し、その方たちに感謝・感激の言葉を伝えられることによって、生まれる充足感のように思います。
仕事はお金のためだけではなく、誰かのために役に立つこと。ここに充足感の秘密があるように思います。
これは、けっして数字では表せない効果でしょう。

今年、訪問歯科をスタートされたある院長先生はこのようにいいます。
「長年こられていた患者さんが、年齢を重ねることで年々減っている実感はあった。訪問歯科をはじめてみて、そのような患者さんと再びお会いすることができたし、患者さん自身も私たち歯科医師を待っていた。もちろん、訪問歯科での診療の限界はあるが、それでも私たち歯科医師を待っている多くの在宅の患者さんがいることに気づいた今、この方たちのためにも訪問歯科を広めていきたい。」

これからますます必要とされる高齢者に対する医療。
その中の一分野である歯科医院に行きたくても行けない方たちのための訪問歯科診療。
私たち全国介護歯科協会では「すべての方に歯科医療の光を」をモットーに、全国の歯科医院の院長先生が有志のもと集まって、「良質な訪問歯科診療を各地で提供していこう」と考えてできた協会です。
「訪問歯科の点数の高いうちにやっておこう」という残念な声も聞いたことはありますが、私たちの考えとしては、まだまだこれから続いていく超高齢社会における地域での医療の担い手として確かな存在に、一院一院になっていただきたいと考えています。
また、そのためのサポートは惜しまないつもりです。

「今から訪問歯科をはじめたいと思っているけれど、もう遅いですか?」という質問もいただいたりしますが、けっして遅いことはありません。
もちろん、訪問歯科をスタートしたいという歯科医院は増えています。
現に、私たち協会のところにも頻繁にお問い合わせがきます。先ほどご説明したように、供給側以上に需要側である高齢者の伸びが凄まじいので、遅いわけはありません。
ぜひ、共にこの日本の高齢社会を支えていきましょう!よろしくお願いいたします!

さて、以上で全6回のメルマガも終了しました。
いかがでしたか?
皆さんの医院経営について参考になられたでしょうか?
もし、そうであればとてもうれしく思います。
私たち全国介護歯科協会のホームページでも引き続き、ブログなどを掲載して、訪問歯科についてのノウハウを書いていきますので、ぜひご覧ください。
ありがとうございました。
先生方の成功を心よりお祈りしております。

>>全国介護歯科協会 代表 前田 先生 http://www.kaigo-shika.com/