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【5】医院を成長させるために必要なこと

2017年03月03日

読者の皆様、こんにちは。

このメルマガも今回と次回で終了となります。

今回は、「医院を成長させるために必要なこと」をテーマにお話しさせていただきます。

「保険診療こそ、医療である」というお考えの先生がいらっしゃると思います。

しかし、医学の進歩にともない、患者さんのニーズも多様化しています。

患者さんが何を求めていて、その治療はどこに行けば受けられるのかをアナウンスすることは必要かと思います。

他院のスペシャリストを紹介することも大事ですが、紹介してばかりでは経営が難しくなってくるのも事実です。

自院も育てていかなくてはいけません。

今日はそのバランスをお伝えできればと思います。

自院への投資には主に2種類あると思います。

1つはお金がかからないもの。

これは院長自らが本などを読んで診療のクオリティを伸ばしたり、
接遇の本を読んできて院内でスタッフ向けに勉強会をしたりするというもので、お金はかからないけど時間と手間がかかります。

もう1つは設備投資です。

時間と手間はかからない代わりに、うまく活用できないと、ただの無駄遣いになってしまいます。

私は開業時、極力設備投資を抑えました。

居抜き開業だったため、20年前のパントモとデンタルがありましたので、
それをデジタル化する程度に留め、あとは壁紙や床の張替えに費用を使いました。

出費はそれで400万程度だったかと思います。

しかし開業3か月後にオートクレーブが壊れました。

その時はことなきを得ましたが、
その後も半年後にコンプレッサーが壊れたり、
パントモが回転しなくなったり、
そのたびに肝を冷やされました。

バキュームが壊れた時は水平埋伏智歯を抜歯していたので、今は笑い話ですが本当に困りました。

このように、居抜き開業は初期費用は抑えられるのですが、
最終的には追加でいろいろと購入しなくてはならないため、
長い目で見ていくと最終地点は同じなのかもしれません。

私自身も年間、平均すると500~600万程度を設備投資に使います。

ある程度のきれいさを維持し、自分の理想的な治療を継続するためには、これは仕方ないことのように思います。

一般的な新規開業が3~4千万円かかるとすると、7年程度で同じくらいになりますね。

ユニットやCTは7年で原価償却しますので、不思議と同じようなタイミングになります。

「居抜きと新規開業、どちらがコストパフォーマンスがよい?」

とよく聞かれますが、結論はどちらでも同じだと思います。

最近、開業医の友人に、

「最初からCTを買うべきか、それとも、パントモだけにして後から増設するタイプがいいか」

と相談されました。

この時、迷わず私は「最初から買うべき」といいました。

CTはインプラント治療を臨床に取り入れるうえで必須ですが、私は滅多にインプラント治療は行いません。

どんな時に使うかというと、
重度歯周病の患者さんに、3Dでどれだけ骨がないのかを見てもらって、
治療のモチベーションを上げたり、水平埋伏歯で下顎管に近い時に抜歯できるかを見たり、根管治療で使用しています。

インプラントは年に10本程度しか行っていないのですが、CTを撮影しない日は購入してからほぼありません。

以前は私も、読影の実力があれば根管治療でCTは必須ではないと思っていました。

しかし、それは間違っていました。

1974年のGoldmanの論文によると、

「2人の歯内療法医に同じレントゲンを見せて、根尖病巣の診断の一致率を調べたところ、一致率は50%だった。また、2年後に同一人物に同じものを見せて前回と比較すると、75~83%しか一致しなかった」

というものがあります。

レントゲンではなかなか正確な判断は難しいのです。

診断のツールとして非常に有効なCTですが、10年前と比較すると非常に購入しやすい金額になってきました。

新規開業される先生は思い切って購入するのもよいかと思います。

最初から買ってしまったほうが、一般的に後から増設するより安くすむことが多いように感じます。

最近の傾向として、配管だけユニット3台分通して、開業時は2台だけ購入し、
軌道に乗ったら3台目を追加購入するという先生が多いと聞きます。

逐次投入はよくないと先に述べましたが、
スタッフとユニットは逐次投入で問題ないかと思います。

「ユニットもスタッフも、なるべく遊ばせないほうがいい」

これは勤務医時代の恩師の言葉です。

この言葉のとおり、以前の勤務先では、最小限のスタッフで多数の患者さんを診療していました。

「人件費は売り上げの20%に抑えなければ厳しい」

と以前のメルマガで書かせていただきました。

人数は余ってしまえば無駄な経費になります。

ユニットのリース代も7年で原価償却しますので、7年のうちで遊ばせている時間が多ければ多いほど、
買い替えの時期が遅くなる計算になります。

このままでは診きれないというくらいまで患者さんが増えてから、新たにリースで購入するのがいいでしょう。

さて、購入でなくリースと書きましたが、これはどういう意味かというと、
原価償却が終わったらなるべく新しいものにしたほうがいいと私は考えているからです。

先ほど、コンプレッサーやオートクレーブが立て続けに壊れたと書きましたが、
医療では本来あってはならないことです。

オートクレーブが動かなくなったならまだしも、パッと見では壊れてなくて、
じつは温度が上がりきっていないという故障だとしたら、院内感染の原因にもつながります。

古いものを大事にする。

これはとても大事なことだと思いますが、
「つねに最善」が求められる医療現場では、
最新の機材に定期的に買い換えるというのは必須なのではないでしょうか。

事故が起きてからでは遅いのです。

たとえば、ユニットが変な壊れ方をしたら患者さんがケガをするかもしれません。

また、壁や床なども何年かごとに張り替えるべきだと思います。

器具などを最高クラスのオートクレーブで滅菌しても、患者さんには今ひとつ伝わりません。

わかりやすい清潔感を患者さんは求めています。

毎日診療室に出入りしていると、どうしても劣化に気づかないものです。

ですので、思い切って償却期間を過ぎたら毎回張り替えるという考えも大切かと思います。

私も開業してから細かく床や壁の張り替えを行いました。

20年前にできたクリニックを居抜き開業したため、今でも全体的にレトロ感は否めませんが、
少しずつ現代っぽいクリニックに改造することも今の私の生きがいになっています。

子育てと同じで、医院も少しずつ成長していくと可愛いものです。

今回は、私なりの投資戦略のお話しをさせていただきました。

次回はついに最終回です。

本当はもっといろいろなお話をしたかったのですが、文面に限りがありますので、
最終回でその想いをたくさん詰め込みたいと思います。

よろしくお願いいたします。

ほうじょう歯科医院 新日本橋
北條 弘明
http://www.hojoshika-shinnihonbashi.com/