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乳幼児歯科健診【4】泣きに至る呼吸

2017年02月20日

成人の歯科診療は“心が開かずとも 口は開く”。

しかし子どもの場合“心が開かなければ 口は開かない”。

ここに、小児歯科診療の難しさがある。

子どもが一度泣き始めれば、それを止めるのはたいへんだ。

乳幼児歯科健診においても、保護者は泣きに気をとられ話を聞く余裕がなくなる。

この一言を発すれば、泣き止む“魔法の言葉”なんて存在しない。

だからこそ、先回りして泣かせない配慮が必要となる。

むし歯や歯周病予防だけが予防ではない。

泣きの予防も立派な“予防の一つ”なのである。

(図1)

さて泣きが始まる前には、一定の法則がある。

その一つである“泣きに至る呼吸”を紹介しょう。

これから述べることを、少し試していただきたい。

まず、子どもになったつもりで、泣きの呼吸をしていただきたい。

…と言われても、急には泣けない。

そこで、最初に短くハ~アと息を吸う。(1回目)

これだけでは泣けない。

さらに、もう一度短く息を吸う。(2回目)

まだ肺に十分な空気は行き渡らない。

そこで、次はハア~~!と大きく息を吸う。

そして、ワア~ン!!!と爆発するはずだ。

3回目の吸気の後、本格的な泣きが始まることがわかる。

これを乳幼児歯科健診の場に置き換えて考えてみる。

(図2)

子どもがハア~! ハア~!と2回目の吸気をした瞬間に子どもを起こす。

すると、どうなるだろうか?

少し考えていただきたい。

(図3)

そう!

まるで風船の空気が抜けるように肺がしぼむ。

こうすると、本格的な泣きには至らない。

(図4)

この間、保護者に口腔内の状況や問題点について話をする。

そして子どもの呼吸が安定したら、また寝かせる。

(図5)

これを繰り返しながら、フッ化物塗布や保健指導を行うのだ。

こうして泣きを最小限に抑えれば、終わってからも引きずらない。

さらに、握手やハイタッチを行って帰す。

(図6)

かくして乳幼児歯科健診はスムーズに終了する。

前 岡山大学病院 小児歯科 講師
国立モンゴル医科大学 客員教授
岡崎 好秀
http://leo.or.jp/Dr.okazaki/