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【6】運命共同体として、1人ひとりが役目を果たすことが大切

2016年06月20日

こんにちは。埼玉県開業の関根です。

前回まで、「どのようにしてスタッフの力を引き出すか?」をテーマに、
医院理念、役割分担、マニュアル作製、ミーティング活用についてお話をしてきました。

最終回の今回はもう一度、全体のおさらいをしていきたいと思います。

1)院長の役割

歯科医院に訪れた患者さんにとって、メインとなる治療行為そのものは、歯科医師である先生方が行うものです。

しかし、来院してから医院を出るまでには、複数のスタッフがかかわっています。

それぞれのスタッフの印象から、接し方、話す内容によって、患者さんの満足度、安心感には大きな違いが生まれてきます。

また、患者さんへの情報提供や要望の聞き取りを行い、医院全体としての信頼感を獲得することは、治療の結果にも少なからず影響を及ぼすと思います。

「院長」という言葉には、
「歯科医師」という歯科治療の専門家としての立場と、
「経営者」として組織全体をマネジメントする立場の両方が含まれています。

以前にもお話ししましたが、勤務医から院長になった時点で、治療の勉強は好きだからがんばるけど、人をまとめたり仕組みを作るのは苦手だから嫌、
というわけにはいきません。

まず、経営者としての自分にきちんとフォーカスすることが大切です。

私の経験上、治療技術の向上と同じように、マネージャーとしての技術も、まずその必要性を認識し、学び、実践し、
トライ&エラーを繰り返していくうちに経験が増え、向上していきます。

医院を1つのチームと考えた時、マネージャーがきちんとマネージャーの仕事をすると、周りは格段に働きやすくなります。

多くの院長先生が、マネージャーとしての仕事を十分に行わないまま、
周りのスタッフのパフォーマンスの低さに悩んだり、イライラしたりしていないでしょうか?

マネージャーとして環境作りをしっかりやっていくと、スタッフは自然と今まで以上のパフォーマンスを発揮します。

このように言うと、「院長ばかりやることが多くて大変じゃないか」と思う方もいるかもしれません。

しかし、本来自分がすべきことをしないまま相手に求めていても結果にはつながりません。

自分がすべきことと、相手に求めることを明確にして、整理することが先決です。

自分ができることに集中するだけでも、先生方ご自身の日々のストレスが少なくなるのではないかと思います。

そして基本的なことですが、経営者として、スタッフに安心して働いてもらうためには、
就労規則や、賃金規定といった雇用関係のベースとなる部分をきちんと明確にして提示することが大切です。

これに加えて、ある程度の健全な人間関係があって初めて、スタッフはこの職場で続けていこうという気持ちがもてると思います。

このような気持ちがもてた段階で、マニュアルや仕組みが役に立ってきます。

スタッフの「ここでがんばろう」という気持ちを、会社のベクトルに合わせていけるようにするために、
理念に基づくマニュアルや仕組みが有効になるのです。

最初からできるスタッフ、向上心のあるスタッフを採用しようとしても、なかなかうまくはいきません。

今お話ししたような流れのなかで、スタッフ自身が社内に居場所を作り、まずはこちらが基準として設定したレベルの仕事を行ってくれれば、
それで十分ではないかと思います。

そのなかから、仕事に対してのやりがいや、こだわりをもち、向上心をもって取り組む人が1人でも2人でも出てきてくれればすばらしいことです。

自分から工夫して仕事に積極的に取り組んでいるスタッフをみると、マネージャー冥利に尽きます。

今回ご紹介した

  [1]医院理念を作ること
  [2]役割分担をすること
  [3]マニュアルを作成すること
  [4]ミーティングを活用すること

をスタッフと一緒に行ってみることで、先生方のなかにあるマネージャーの部分を育ててみませんか?

きっと、スタッフの皆さんも先生の変化にビックリしつつも、歓迎してくれると思います。

2)金魚鉢の話

最後に、私がよく話すたとえ話を紹介します。

それは金魚鉢のお話です。

医院が1つの金魚鉢だったとします。

1つの金魚鉢の中にはたくさんの金魚たちが泳いでいます。

これを皆さんの医院だと思ってください。

みんなが1つの鉢の中の水を共有している状況です。

なかには、おしっこや便を出して水を汚してしまう金魚がいるかもしれません。

その金魚は、自分が出したもののせいで水を汚し、自分自身の居心地も悪くしていることに気づきません。

逆に、なかにはせっせとバクテリアやプランクトンを食べ、水をきれいにしてくれる金魚もいます。

みんなが共有している水を率先してきれいにしてくれるのです。

これはあくまでたとえ話ですが、小さなコミュニティの中では、このような状況がよく生まれています。

自分が汚していながら、そのことに気づかず自分も住みにくくなって困っている人がいる。

その反面、環境をよくするために動いている人がいる。

金魚鉢は運命共同体です。

水を汚す人を叱り飛ばしたり、排除しろと言っているわけではありません。

水をきれいにするとはどのようなことなのかを考え、そのように動いてくれる人に感謝をし、
先生自身は水をきれいにするようにチームにかかわることが大切だと思います。

まさか、先生自身が水を汚しているなんてことはないですよね。

3)連載を終えるにあたって

6回にわたり、スタッフの力を引き出すために私が取り組んできたことを紹介してきました。

もちろん、私の医院もすべてが順調にうまくいっているというわけではありませんし、過去の失敗も踏まえ、
現在もさまざまな取り組みを行っている最中です。

しかし、私自身の感覚としては、歯科医院というチームのなかでの自分の役目が何かを自覚できたことで、
以前よりは肩の力を抜いてスタッフと接することができているように思います。

皆さんにとって、歯科医院経営という一生の仕事が、より前向きで魅力的なものになることを願っています。

そのために私の経験が少しでもお役に立てば幸いです。

埼玉県北本市開業・医療法人惠仁会関根歯科医院
関根 聡
http://www.sekine-dc.jp/