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訪問歯科診療をうまく進める為の留意点【2】訪問歯科を軌道に乗せる最大の課題は?

2011年10月17日

第1回目は「訪問歯科はすべきか否か」について売上面や人材面から見てきました。
2回目は「訪問歯科を軌道に乗せる最大の課題は何か?」を考えていくことにします。
いきなり答えですが、訪問歯科の最大の課題は「患者を見つけること」――これに尽きます。
外来での診療に関しても、近年は競争激化もあり、ホームページなどで、自院の強みをしっかりと打ち出していく必要がありますが、基本的に外来での診療は「待ち」の姿勢で、患者さんに医院まで来院してもらうスタイルです。
一方で、訪問歯科診療では、いくら待っていても患者さんはきてくれません。
こちらから積極的に、広報活動をしていかないと患者さんは見つからないのです。

――訪問歯科を始めようと思って、待合室で「訪問歯科をしています」と告知したものの、まったくといっていいほど反響がありません。
たまに患者さんのご家族で寝たきりの方がいらっしゃるということを聞くくらいで、実際に訪問歯科につながるケースは年3、4件くらい。ほとんど患者さんは増えません。
それならばと、介護施設での訪問歯科をしようと思い、思い切って介護施設に連絡をとってみても、「すでに訪問歯科にきてもらっています」というつれない返事……正直、どうやって訪問歯科の患者さんを増やすのか、打つ手がありません――
こうした悩みをかかえている先生は、意外に多いのではないでしょうか。

ホームページでの訪問歯科の告知にしても、最近では反響はいくつか出てきてはいますが、それでも待合室での告知とさほど変わらないくらいの反響です。
やはり、患者さん側からすると、ホームページを見て訪問歯科ができる歯医者さんを調べるよりも、他に調べる材料があるといえそうです。

現在のところ、もっとも効果的なのが「介護事業所への挨拶回り」です。
介護事業所とは、ケアマネジャーがいて、その地域の要支援者・要介護者の介護プランを立てたり、介護に関しての相談を受けているところです。
要支援者・要介護者の方には、ほぼ間違いなくケアマネジャーがついていて、日頃の介護に関する相談などにのってもらっています。

したがって、歯科医院に通えない要支援者・要介護者で口腔に問題をかかえている場合は、直接ホームページなどで探すよりも、まずは担当してもらっているケアマネジャーに相談するのがもっとも一般的な道なのです。
では、地域のケアマネジャー事業所への挨拶回りをするにあたって、どうやってその事業所の場所を調べるのかというと、まずはその地域の役所の介護相談窓口などに行ってみてください。
ケアマネジャー事業所のリストがもらえるかと思います。
もしくは独立行政法人 福祉医療機構が運営しているワムネットでも、一覧を検索することができます。
ワムネット ⇒ http://www.wam.go.jp

ここで調べたケアマネジャー事業所に、定期的に挨拶に回っていくのが効果的です。
挨拶回りでは、ケアマネジャーも忙しくされておられるので、「○○歯科医院の前田と申します。当院の訪問歯科診療のご案内でおうかがいさせていただきましたが、今1~2分ほどお時間よろしいでしょうか?」こういったはじめの声かけから、訪問歯科のご挨拶をすすめていくといいでしょう。

地域によっては、すでに他の歯科医院が大々的に訪問歯科を推進しているところもあって、すぐには反響がないところも出てきています。
介護施設への営業に関しても同じで、いきなり施設に営業をしかけても、受付で門前払いをされるケースがほとんどです。
しかし、逆にいえば、今までは訪問歯科をしているところが少なかったため、「挨拶に行ったら反響がもらえる」という、ある意味とても恵まれた営業環境だったともいえます。
これからは、他の歯科医院さんとの比較をされる上で、どう違いを打ち出していけるか?外来での競争と同じように、訪問歯科でもそうした競争が始まろうとしています。

とはいっても、基本は同じです。
恐れることはありません。
「自院にできることは何か?」「患者さんやご家族、紹介するケアマネジャーが喜ぶことは何か?」を考え、それを実践していくこと。
そして、実践してきた成果をしっかりと伝えていくことです。
これができれば、訪問歯科も軌道に乗っていくことと思います。

挨拶回りでも、限られた時間の中で、しっかりと自院の良さを伝えるように工夫していく、1回や2回の冷たいあしらいをされてもヘコたれない。
「もっとこうやって説明すれば聞いてくれたかもしれない。よし、次の事業所ではこのように説明してみよう!」と、工夫を重ねることで、必ずいい広報活動ができるはずです。

今回は、訪問歯科を軌道に乗せるためには、こうした営業が必要不可欠だということをお伝えさせていただきました。
これから訪問歯科をはじめようという先生にとっては、訪問用の機材をそろえるのと同じくらい、こうした患者さんを見つけてくるための広報活動に力を入れる必要があるということを認識していただきたいのです。

>>全国介護歯科協会 代表 前田 先生
http://www.kaigo-shika.com/