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まだ間に合う歯科医院の税金対策【4】スタッフの給与総額が前年より増えた場合の節税スキーム

2016年02月15日

こんにちは。

税理士法人キャスダックの山下剛史です。

このメルマガでは、「まだ間に合う歯科医院の税金対策」として、個人の確定申告で知っておいたほうがよい節税対策について、お伝えしていきます。

第4回目の節税ノウハウは、「所得拡大促進税制」です。

多くの歯科医院で適用できるのに、意外と見落とされがちですので、ぜひ覚えておいてください。

(1)所得拡大促進税制とは?

所得拡大促進税制とは簡単にいうと、年間のスタッフの人数や給料を増やし、
要件を満たした場合、その増加額の10%を税額控除できるという制度です。
(個人の歯科医院、資本金1億円以下の医療法人は、税額の20%が限度です。また前回メルマガでご紹介した「雇用促進税制」とは選択適用になります。)

(2)所得拡大促進税制を受けるための3つの要件とは?

所得拡大促進税制を受けるためには、3つの要件があります。

3つの要件のうち、
要件1~2は「雇用者給与等支給額」により判定し、
要件3は「平均給与等支給額」により判定します。

(3)雇用者給与等支給額とは?

雇用者給与等支給額とは、所得拡大促進税制の適用を受ける事業年度(適用年度といいます)においてスタッフに支給する給与の合計額をいいます。

上記のスタッフには、個人の歯科医院は奥様などの専従者、医療法人は役員を含まず、
雇用保険に加入していないパート・アルバイトのスタッフも含まれます。

(4)平均給与等支給額とは?

平均給与等支給額とは、適用年度において継続雇用者(適用年及びその前年において給与の支給を受けたスタッフ)に
支給した1人あたり・1ヶ月あたりの平均単価をいいます。
(※継続雇用者は雇用者給与等支給額と同様に専従者と役員は含まれません。)

簡単にいうと、全体的な給与合計額と1人あたり・1ヶ月の平均給与の2つをチェックする必要があるということです。

では、要件を具体的に見ていきましょう。

◆要件1
「適用年度」の雇用者給与等支給額が、
「基準事業年度」の雇用者給与等支給額と比較して一定割合以上、増加していることが1つ目の要件です。

基準事業年度は、適用年度によって変わらず、
個人の歯科医院であれば、平成25年、
3月決算法人であれば、平成24年4月~平成25年3月となります。

増加すべき割合は、平成27年の場合で2%以上です。

この要件と他の要件を満たしている場合、雇用者等支給額の増加額の10%が控除される税額になります。

たとえば、基準事業年度の支給額が1000万円、常勤スタッフが1名増えて、適用年度の支給額が1300万円となった場合、
300万円増加していますから、増加割合30%として要件1を満たし、他の要件も満たせば、増加額の10%である30万円が納税額から控除されます。

◆要件2 
「適用年度」の雇用者等支給額が、「前年」の雇用者等支給額を上回っていることが、2つ目の要件です。

要件1と合わせると、雇用者等支給額を基準事業年度から適用年度まで、徐々に増加させていくことが求められているといえます。

◆要件3
適用年度の平均給与等支給額が前事業年度の平均給与等支給額を上回っていることが、3つ目の要件です。

この要件では、1人あたり・1ヶ月の平均給与を計算して、特定のスタッフや特定の月にかたよりなく給与が増加していることを確認します。

この方法では適用年度に新卒のスタッフを新たに採用した場合、平均給与が下がり、要件を満さなくなることが指摘されていました。

しかし、平成26年の改正で、判定の対象となるスタッフが適用年度と前事業年度に給与の支給を受けた「継続雇用者」に限定され、
この問題が解消されました。

ここまで3つの要件をご説明しましたが、要件がかなり複雑ですので、先生は概要だけ理解いただき、最終的には顧問税理士さんに、
「うちって所得拡大促進税制受けられるの?」
とご確認いただければOKです。

給与の増加を検討中の先生は、今回の内容をご参考にしてみてください。

※今回の内容は平成27年12月時点での税法に基づいております。

税理士法人キャスダック代表税理士
山下 剛史
⇒ http://www.dentax.jp