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吉野流・自費率を高める6つの法則【4】成功する治療の提案2つの方法 どちらがいいのか?

2015年02月10日

(1) ある歯科医院での提案への質問

関西のT歯科医院で「自費率アップができるカウンセリングでの話し方」というテーマで、3時間の院内研修を行いました。

先生とスタッフでカウンセリングの構成や患者さんの心を動かす伝え方などを、実際のシーンを想定し演習も行いましたが、伝え方の技術が上がり、みなさんとても達成感を感じておられました。

最後に、私が「何かご質問はありますか?」といったところ、勤務医のY先生が、躊躇しながら手をあげ、質問してこられました。

「本来であれば、最初に質問すべきことだと思うのですが……」と前置きしながら、こう聞いてきました。

「私は、治療を提案する順番がわからず戸惑っています。
正直、うちにこられる患者さんは、あの歯も悪い、この歯も悪いで、お口の中、全部、治療しなければならないところばかりなんです。
もちろん、全部、ちゃんと治して、快適にしてあげたいと思いますが、患者さんに対して、あの歯を治して、この歯を治して、ここはインプラントにしてと、やるべき治療すべてをいっぺんに提案したら、患者さんは”そんな長い時間と大きなお金をかけてやらなければならないのか?”とびっくりしてしまい、ドン引きするのではないでしょうか?
吉野さん、丸ごとすべてを提案すべきなのか? それとも”次はこれ、次はこれ”と、小出しに提案したほうがいいのか? 教えてください」

“なるほど”と私は、思いました。
これは歯科医院の方針にもよるので、念のため院長のT先生にご意向を確認しました。

すると、T院長は「すべての患者さんに、やるべき治療の全部をお話し、すべてに対するお見積りを出してほしい」といいました。

これもひとつの方法です。

しかし、「どうも解せない」といった表情で、勤務医のY先生は「でも、それでは患者さんにドン引きされてしまう……」と、繰り返したのです。
 

(2) 提案には2つの方法がある

そこで今回は「成功する治療の提案、2つの方法」について、お伝えしていくことにします。

まずは例えとして、家のリフォームの提案をイメージするとわかりやすいでしょう。

「家のお風呂をリフォームしたい」と思い、リフォーム屋さんに見てもらって、お見積りを取り寄せることを想像してみてください。

「お風呂をリフォームするには、このような選択肢があります。
 なお、洗面所の床も傷んでいるので、水回り全体を並行して直されるといいですね。
 そして、築15年経っているので、実は、外壁塗装も近々やりなおす必要があります」

などと、直すべきところすべてを提案されたとしたらどうでしょうか? 
その上、全体のリフォームにかかる見積りと時間を提示されたらとしたら……。

「お金も時間も、全部でそんなにかかるんですか! 
 今はまだそこまでしなくてもいいです。まずはお風呂だけ直せれば……。
 そうだ! 他のリフォーム会社にも聞いてみよう!」

となってしまう可能性があります。

では、他社にとられないために、リフォーム屋さんはどのように提案したらいいのか?です。

リフォーム屋さんは、素敵で快適なお家に住んでお客様にハッピーになってもらいたいと思うのであれば、やはりまずやるべきことは、リフォームすべき全体のプロセスの提案です。

しかし、壮大なプロセスになり、お客様にドン引きされないために
「まずはここから直しましょう」と、優先的にリフォームすべきところを示し、そのお見積りと かかる時間を伝えます。
そうすると、お客様に理解され、お申込みをいただきやすいのです。

(3) 治療全体の期間・見積りを伝える

これらを、歯科治療の提案にあてはめて考えてみましょう。
方法は2つです。

ひとつは、さきほどのT院長の考え方です。

1. 治療の全体のプロセスを伝える
2. 治療の全体の費用を伝える
3. 治療全体にかかる時間を伝える

これは、すでに患者さんとの強固な信頼関係ができている場合、もしくは紹介などでいらした方で、明らかに見込み患者さんであり、先生の提案を、基本的には患者さんが受け入れるということが、10中8、9であると考えられる場合に、有効な方法です。

しかし、インターネットなどで検索し、医院を見つけてくださった患者さんで、他の医院と競合する可能性がある場合には
「そんなにお金も時間もかかるんですか! 他も当たってみようかな……」
となってしまい、患者さんが「セカンドオピニオンを!」などと、他の医院に行ってしまうリスクがあります。

(4) 治療全体とまずは優先的に行う治療の時間・見積りを伝える

2つめの提案の仕方はこうです。

1. 治療の全体のプロセスを伝える
2. まず優先的に行うべき治療は何かを伝える
3. 優先して行うべき治療の費用を伝える
4. 優先して行う治療にかかる時間を伝える

この方法ですと、かかる費用と時間が理解されやすいものとなるため、患者さんを失うリスクが減ります。

1.で全体のプロセスを伝えていますが、ひとつのプロセスが完了するたびに、今どこまで進んでいるのかを知っていただき、「次は、こちらを」と再度、提案し、お見積りを出すことになります。

2つの方法のどちらを選択するも医院の自由です。
より貴院と患者さんにあった方法を選択していただければと思います。

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(社)国際医療経営学会 代表理事
吉野真由美
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