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歯科医院にお金を残す6つのノウハウ【2】「お金がどんどん増える」歯科医院の共通点

2014年10月16日

前回の「お金が残らない歯科医院」の共通点と同様に、「お金が増える歯科医院」にも共通点があります。

私の経験から見出したその共通点を、5つのポイントにまとめました。

 

【お金が増える医院その1】医院の基準値・数値にもとづいて経営を行っている

お金が増える歯科医院は、医院の基準値をよく認識し、その数値の範囲内でしっかりと計画立てて経営を行っています。
たとえば――

・この売上規模なら、何人ぐらいのスタッフで、どのような人員配置がベストなのか?

・チェアを4台から5台に増やしたいと思うけど、いつのタイミングで入れるべきか?

・この売上高であれば、どれくらいの利益を残さないといけないのか?

・どれくらいの売上になれば医療法人化したほうがよいか?

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詳しくご説明しておりますので、投資の数値基準を知りたい先生にはおすすめです。
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【お金が増える医院その2】 スタッフへの教育投資の意識が高い

2つ目の共通点は、スタッフへの教育投資の意識が高いことです。
お金が残っている歯科医院は、全体的にスタッフのレベルが高く、お伺いするとそれがよくわかります。

それは、スタッフの教育に、お金も時間もものすごく投下しているのです。
目安としては、教育研修費が売上の3~5%なら、積極的に教育に投資をしているといえます。

また、個人のスキルの強化だけではなく、

・現場で起きた問題点やその改善案が共有される仕組み
・業務がマニュアル化される仕組み
・先輩スタッフが後輩スタッフを教育する仕組み

こういった仕組みを導入し、院長と優秀なスタッフがみんなで力を合わせることで、加速度的に医院が成長します。

 

【お金が増える医院その3】 採用にお金と時間を投資している

3つ目の共通点は、採用にお金と時間を投資していることです。
「求人広告を出したけど、いい人がこない」というご相談は、毎月必ずどこかの医院で発生してきます。
それほど、歯科医院は今、採用に困っているところが多いのです。

ここでいう「採用にお金と時間を投資する」というのは、たくさん求人広告を出しなさい、ということではありません。

歯科医院のスタッフ募集の広告媒体は、ある程度限られていますので、そこに歯科医院が集中し、レッドオーシャンになっているのが現状です。
もはや「絶対にこれ」といえる広告媒体はないといっても過言ではありません。

しかし、そんな中でも、人材の確保に成功されている医院もあります。
うまく人材を確保できている歯科医院は「どんな採用媒体に出すのか」ではなく、「どうすれば選ばれる医院になるのか」にお金と時間を投資しています。
たとえば――

・社保や退職金制度などを充実させ、長期で働きやすい職場環境をつくる

・産休や育児制度など、小さな子どもがいても働ける環境をつくる

・ブランクがあっても、先輩が教えられる教育システムをつくる

・医院そのもののブランド価値を高める

給与や休み、勤務時間などで差別化をはかろうとすると、そうした要素をモチベーションにするスタッフばかりが集まってしまい、結局またすぐに辞めてしまい、同じことを繰り返さないといけない、ということになり、院長もスタッフも疲弊します。

また、歯科衛生士学校や歯科大の研修先になり、優秀な衛生士やドクターと早い段階から接点を持つ歯科医院もあります。
人材確保大競争時代を乗り切るために、採用のための仕組みを整えていきましょう。

 

【お金が増える医院その4】 院長の「声」が大きい

「院長の声の大きい歯科医院は、流行っている」――これは、私がある院長との会話の中で教えていただいた共通点です。
小さな声でボソボソと説明するよりも大きな声でしっかりと説明をしたほうが、同じ内容であっても、患者さんにより安心感を与えます。

また、スタッフに対してのコミュニケーションのときも同じです。
小さな声で話すより、大きな声で話すほうが、自分の言いたいことが伝わります。

もちろん、声の大きさは、あくまでも一例です。
お伝えしたいのは、患者さんに信頼してもらうために、また、親しみを持ってもらうために、自分の「見せ方」を意識することです。
これは、税理士である私も、意識しています。

開業当初、自分が講師をしたセミナーをビデオで撮影して何度も見直ことで、話し方や動きの癖を見つけることができました。
どのような言葉を使えばわかりにくい「会計」や「税金」というものを、わかりやすく理解してもらえるかにすごく神経を使っています。

先生も一度、自分自身を客観的にみる機会を設けてみてください。

 

【お金が増える医院その5】 優れた外部ブレーンがいる

最後の共通点は、優れた経営のブレーンがいることです。

経営者の一番の仕事、それは「決断すること」です。
しかし、院長1人では、どうしても主観的になってしまいます。
そこで、専門家としての立場から、客観的なアドバイスをくれる外部の存在が必要になるのです。

では、優れたブレーンとは、どのようなものか? 私が考えるその3つの基準をご紹介しましょう。

(1)業界の知識を持ち、問題解決力がある
(2)言いたいことがいえる
(3)モチベーションを上げてくれる

歯科医院の場合は、メーカーさんやディーラーさんがブレーンになっておられる場合も多いと思います。
また、経営コンサルタントや顧問の税理士さんにお願いしている場合もあるでしょう。
このような優秀な外部ブレーンがいる歯科医院には、お金が残っていることが多いものです。

ぜひ困った時に相談できる優秀な外部のブレーンを活用してみてください。

次回は「意味不明な決算書を読み解き、経営に活かす方法」についてお話しいたします。

 

税理士法人キャスダック
代表税理士 山下剛史
⇒ http://www.dentalkaikei.com