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異業種に学ぶ自費率アップ6つのコツ【2】「買い回り」サービスとしての自費診療~コンビニと自由診療との関係とは何か?

2014年07月18日

“コンビニ”で“自由診療”を増やすことは可能でしょうか?

コンビニは、軒数という観点から歯科医院とよく比較されるビジネスです。

歯科医院がコンビニの軒数よりも多いという事実だけでは、何らの因果関係はないのにもかかわらず、それだけで「歯科医院は大変だ」とか「歯科医院は供給過剰だ」とかいわれるのは心外なものです。

その一方で、小売業の中では、コンビニは右肩上がりを続ける数少ない勝ち組であり、歯科医院の経営にとっても学ぶことの多いビジネスであることも事実です。

そこで、今回はコンビニを事例対象として、「自費率をアップさせ集患・増収を実現しているクリニックとは?」について考察していくことにします。

小売業における商品・サービスの分類方法のひとつとして、「最寄品」「買い回り品」「専門品」という分け方があります。
最寄品とは主に日常品、買い回り品とは購買頻度の低い、買い回って比較して買うような商品、専門品とは特長が際立っているスーパーブランドのような商品のことをいいます。

また小売業においては、商圏人口別に業態モデルを組むという考え方があります。

コンビニは、小売業の中ではもっとも小さい商圏を対象として成功している最小単位の業態モデルであり、取り扱っている商品は、普段から欠かすことのできない日常品を代表とする最寄品を中心とした展開となっています。

歯科医院のビジネスは、一般に保険診療は「最寄品」ビジネス、自由診療は「買い回り品」や「専門品」ビジネスと位置づけることができるでしょう。

冒頭の「“コンビニ”で“自由診療”を増やすことは可能でしょうか?」という問いかけを見ただけで、この意味を理解された先生は、少ないのではないでしょうか?

実は、この問いかけは、コンビニと歯科医院それぞれへの問いかけなのです。

まずこの問いかけを、コンビニに置き換えてみると、次の2つの問いかけが導き出されます。

・コンビニで買い回り品や専門品を取扱うことは可能でしょうか?
・コンビニで中規模・大規模商圏を対象に営業展開することは可能でしょうか?

結論から申し上げると、これらの質問への答えは、不可能ではないもののきわめて困難ということになります。

この答えや例外の中に、歯科医院における自費率アップのポイントや保険診療での増収のポイントが凝縮されているので、ここから先はすべてコンビニを歯科医院に置き換えるつもりで読んでみてください。

コンビニ、スーパー、ショッピングセンター、百貨店などの小売の業態モデルは、主に対象商圏の人口、施設面積、交通量、販売形式、品揃の幅・広さ・深さ、価格政策などから決定されています。

小売業の業態を考える上での3つの鉄則には、次のものがあります。

(1)「店舗の対象商圏規模が変わると、売り方が変化する」
(2)「店舗の対象商圏規模が大きくなると、接客が必要となる」
(3)「店舗の対象商圏規模が大きくなると、売れ筋商品の価格は上昇してくる」

これらは、別の見方をすると、その店舗の対象となる商圏人口が大きくなればなるほど、購買頻度が低い商品や、同じ単品でも高価格の商品を販売することが可能である、ということを示唆しています。

具体的にいえば「小規模商圏を対象としている狭いコンビニにおいては、購買頻度が高く低価格の商品が品揃えの中心である一方で、都心部ターミナル駅前の大規模百貨店においては、購買頻度が低く高価格の商品(例:高額ジュエリー)でも販売可能になりますよ。
ただし、そういった店舗や商品では接客が必要になってきますよ!」ということなのです。

冒頭の問いかけを歯科医院に置き換えると、次のようなものになります。

通常は「最寄品」を取り扱っている歯科医院が、「買い回り品」や「専門品」を取り扱って成功していくためには、どのようにしたらいいのでしょうか?

それにはまず、先ほどの3つの鉄則を当てはめて考えてみることです。

(1)「店舗の対象商圏規模が変わると、売り方が変化する」
→自由診療を増やしていくためには、マーケティング施策やポジショニングなどを変化させる必要があります。

(2)「店舗の対象商圏規模が大きくなると、接客が必要となる」
→自由診療を増やしていくためには、患者さんとのコミュニケーション、カウンセリング体制、信頼関係の構築がより重要となります。

(3)「店舗の対象商圏規模が大きくなると、売れ筋商品の価格は上昇してくる」→自由診療を増やしていくためには、上記2点の変化もあるため、診療内容や価格政策、保険診療と自由診療との最適ミックスなどを構築していくことが必要です。

「買い回り品」ビジネスは、「最寄品」ビジネスに対して潜在顧客が多い分だけ、潜在顧客から比較もされます。
「専門品」ビジネスは、スーパーブランドのような真に際立った特長が不可欠なのです。
したがって、自由診療中心に行っているクリニックでも、大半は「買い回り品」ビジネスにとどまらざるをえません。

 

株式会社マージングポイント
代表取締役社長
経営コンサルタント
田中 道昭
⇒ http://www.dental-mp.com/