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あいうべ体操

2011年05月16日

東日本大震災の後、被災地では呼吸器性の疾患が増加していると言う。

地震により破壊された建造物や津波とともに上陸したヘドロが乾燥し、アスベストや有害物質を含んだ粉塵のせいである。

ゴールデンウイークに被災地に行った友人から、「マスクをしても喉はざらつき痛み、眼はショボショボし、耳の穴も真っ黒になった」という話を聞いた。

このような現状で、口が開き口呼吸をされている被災者の方は、さぞかしたいへんなことだろう。

そんなことを考えていたら、被災地で“あいうべ体操”をしているニュースがあった。

口呼吸を抑制するためであり、福岡の内科医 今井一彰先生が考案されたものである。

 

(図1)
あいうべ体操

 

今井一彰先生についてはこちらから↓
http://mirai-iryou.com/mc_policy.html

http://mirai-iryou.com/mc_aiube.html

診療室でこれを勧めている歯科医師も多いと聞く。

これまで、歯科界でも多くの顔面体操や舌体操が考案され、介護の現場で応用されてきた。

しかし、これらがどれだけの効果を持つのか知らなかった。

さてここで、試していただきたいことがある。

あなたの舌は、口を閉じるとどこに接しているだろう?

 

(図2)
舌がどこにあたっているか

 

1.口蓋
2.上顎前歯の舌側
3.上下の前歯の間
4.下顎前歯の舌側

ご承知のように、口蓋に接しているのがもっとも良い状態である。

選択した番号が増えるに連れ、舌筋の力が低下していると考えられる。

そして舌筋の低下は、口呼吸を招く。

そこで“あいうべ体操”を行ってみよう。

まず“あ~”と言いながら口を大きく開く。

次に“い~”と言いながら口を横に広げる。

そして“う~”と言いながら口をすぼめる。

さらに“べ~”で舌を思い切り前に出す。

大きな動きをしながらゆっくり10回繰り返していただきたい。

 

(図3)
あいうべ体操

そして、もう一度舌が接している位置を確かめていただきたい。

 

(図4)
舌がどこにあたっているか

 

いかがだろう?

ほとんどの方が、舌が上がっていることを実感されると思う。

この体操を行う前から、舌が口蓋に接していた方は、その面積が増加しているはずである。

これだけのことで、舌筋が鍛えられることは驚きの限りである。

これを1日3セット行えば良いという。

この体操、口呼吸を余儀なくされている方々には朗報となるだろう。

“あいうべ体操”のパワーポイントを作った。

ダウンロードフリーにしてあるので指導用にご活用いただきたい。

 

(図5)
パワーポイントのサムネイル

 

>>岡崎先生のホームペ-ジ
http://leo.or.jp/Dr.okazaki/