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歯科医院の清掃 ここがポイント【3】カルテはクリアファイルを色分けして管理しよう

2011年05月02日

受付業務の一環として、翌日の予約表を確認しながら事前にカルテ出し準備を行っている医院さんが多いことと思います。

患者さんが来院してからカルテを探したり、カルテ出しにもたついたりしていたのでは、患者さんをイラつかせるだけです。

受付でのほんのひと手間が、患者さんの大切な時間をムダにせず、医院の流れもスムーズになり、診療しやすい環境をつくります。

とくに、再初診の患者さんのカルテ出しは大変です。

もちろん、所定の場所に収納されているわけですが、中には「迷子カルテ」もあります。

現在、来院中のカルテさえ「迷子カルテ」になる可能性もありますので、あらかじめ準備が必要なのです。

来院者のカルテを準備することは、診療前に患者さんの処置内容を確認するだけでなく、受付と診療スタッフとが、その日の診療の流れを共有することにつながり、スムーズな診療を可能にします。

その上、無理な予約を取ったりせず、医院の流れに一体感を生み出すことにもなります。

また、予約どおりにカルテ出しの準備ができていれば、患者さんの来院時点で、処置内容によって色分けした名刺大の処置名カードを、カルテにクリップでとめるなどのマーキングができ、診療の流れがよりスムーズになって便利です。

この処置名カードを上手に使うと、次のような効果があります。

先生や診療スタッフも、来院者カルテの束を見ると、一目瞭然、時系列で治療の流れが把握できます。

この準備によって、予約外の新患の急患など、先生の集中力を必要とする治療が重ならないか、同じ色のカードが重なっているところに、さらに同じ治療の急患を無理に入れてはいないかなどを確認できます。

また、スタッフが患者さんを診療室に誘導する際、カルテスタンドに収められた色分けカードを遠目で見るだけで、次は何を準備すればいいかがわかりますし、先生も「次はエンドだな」「その次はインプラント患者さんのチェックだな」と、そのつど診療の流れの把握が簡単になります。

もし予約時間に遅れが生じている場合でも、先生は処置ごとに何を最優先にすべきかを判断し、時間配分を再編できます。

まだこの処置名カードを取り入れていないようでしたら、ぜひ試みてください。

カルテ出しを素早く行うためには、きちんとカルテの整理・整頓がされているだけでなく、カルテ収納に工夫を加えて、取り出しやすくすることも必要です。

たとえば、自費治療でインプラント処置を行った場合は、医院側は継続してメンテナンスを行い、口腔内を生涯にわたって管理し、メンテナンスを中断することのないようにしなければなりません。

ですから、自費治療の中でもインプラント埋入の患者さんは、現在使用しているクリアファイルと違った色のファイルにカルテを入れ、見つけやすくしておきます。

インプラント処置が多い医院の場合は、別棚に色付きファイルが入った患者グループをつくったほうがいいでしょう。

どちらにしても、カルテファイルの中に黄色や赤など色付きファイルがあれば見やすくなり、来院時にカルテを出すとき、誰でもひと目で自費診療やインプラントの患者さんだと気づきます。

ファイルをわかりやすくするとともに、インプラントの埋入部位やインプラント体のメーカーやサイズなどのデータを蓄積すること、定期的に来院があったかチェックすることも必要です。

インプラント処置に限らず、自費補綴物などの治療が行われている患者さん、ホワイトニング処置の患者さんは、クリアファイルの中に別色ファイルを入れることをおすすめします。

色付きファイルの中には、自費治療に関連した処置履歴をデータ化したもの、書類(見積書・請求書・領収書控え)や保証書、検査データや自費治療カルテなども納めておきますと、患者さんとのやりとりも確認しやすくなります。

なお、自費治療に関するメモ・情報を、保険治療と同じカルテに記載したり、混在させないようにしておきましょう。

それは、混合診療ではないかと、疑われないようにしておくためにも必要なことです。