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サルが最初に食べるのは?

2010年05月17日

「サルの目の前でスイカを割って与えると、どこから食べるだろうか?」

人間と同じように赤い実か?

サルは木の葉や樹皮を食べるから皮なのか?

それとも硬い種から食べるのか?

どれが正解だろう?

この問題。

食育にまつわる講演会で話すと、誰もが興味を持って聞き入る。

正解は「種」である。

サルは、まず指で種をほじくって食べる。

種がなくなった後、赤い実にかぶりつく。

実はこの話を知ったのは、24年前。

「人間はなぜ歯を磨くか」(石川 純著 医歯薬出版)に書かれていた。

その時、これは本当の話なのか確かめたいと思った。

以来20年間。

獣医師、生物学者、そして動物園の関係者に会うたびに質問してきた。

その結果。

「わからない。」

「見たことがない。」

「試したことがない。」

という回答ばかりで確信を得ることができなかった。

やっと昨年、始めて「ズバリ!種です。」と答えられた方に出会った。

北海道 旭山動物園の元名誉園長 小菅正夫氏である。

さすが旭山動物園を世界一の動物園に仕立てた先生だ。

その理由。

「一番栄養があるためです。」

なるほど!

スイカの種を考えるから、わからなかったのだ。

考えてみれば、我々は多くの種を食べている。

米、トウモロコシ、栗、大豆。

すべて種である。

大豆を原料としたものには、味噌、醤油、それに豆腐がある。

豆腐となれば、厚揚げも湯葉も元は種だ。

種は、命をつなぐものであるから栄養が豊富なのは当然なのである。

ところで日本では、種なしスイカを作る研究が行われている。

種を選り分けながら食べるのは面倒なためだ。

しかし、中国では種を大きくする研究が盛んという。

中国では、スイカの種を炒ったものを歯で割って食べる。

おやつとして食べるのだ。

そのため中国人は、前歯の先がくぼんでいる方が多い。

同じ種でも、国が代われば扱いが異なることがわかる。

 

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