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患者さんの言動から性格をつかむコツ【4】 こんな患者さんには、こんな対応を!≪Part4≫

2009年11月16日

人の言動は、その人の「欲求」や「恐れ」が基本となって形成されています。

ここでは、こうした患者さんの何気ない言動を観察し、性格をつかんだ上での効果的な対応をご紹介しましょう。

“こんな患者さんには、こんな対応を!”のPart4です。

 

★患者さんチェック! こんな患者さんいませんか?

1) 待合室で:時間厳守の患者さん!

予約時間には遅れたことがない患者さん。

何かの理由で遅くなりそうな際には、必ず電話連絡を欠かさない患者さん。

礼儀正しく誠実な印象を受ける患者さん。

2) 診療室で:症状の経過を詳細に語る患者さん!

「どうなさいましたか?」というドクターの質問に「右上の奥の歯がズキズキと痛みます。

この痛みは1週間前から始まりました。

とくに3日前から腫れもひどくなり、昨日から痛みはピークに達しています。

頭痛も出現してきました。

歯の痛みとは関連はあるのでしょうか?」などと、症状の内容や経過を詳しく説明したり、自ら分析する患者さん。

3) 会話の中で:論理的に話す患者さん!

あらかじめ(インターネットやメディアなどで)多くの情報を収集し、しっかりと把握した上で治療の相談をするなど緻密な患者さん。

ドクターからの説明後も「ここは、○○ということですね」と確認発言が多い患者さん。

4) 治療説明で:質問が多い患者さん!

「インプラント埋入、上顎と下顎では骨と結合する期間が違うのはなぜでしょうか?」

「ホワイトニングの際の知覚過敏は、どのくらいの割合で起こるのですか?」

など、細かい内容までも注意が向き、質問の多い患者さん。

5) その他:考えるしぐさが多い患者さん!

治療をチョイスする際には、即断即決ということはなく、冷静な姿勢でじっくりと考えて決めていく患者さん。

こちらの話にも、じっくりと耳を傾けて聴いています。

 

★上記の内容の中で、3つ以上当てはまる患者さん!

その患者さんがこちらに期待することは「正確な情報提供」「エビデンスにもとづいた解説」「質問しやすい環境」「決定を迫らない」です。

こうしたキーワードを押さえた対応こそが、患者満足度を高めていきます。

では、先ほどの1)~5)のシチュエーションにおける効果的な対応をご紹介しましょう。

1) 待合室で:正確な情報提供を!

このタイプの患者さんは、自ら時間厳守するだけに、相手がルーズな対応をすることも嫌がります。

待ち時間が長引いた際には「お待たせいたしまして申し訳ございません。ただいまの診療状況では、あと15分お待ちいただきますが、ご都合はよろしいでしょうか?」と待ち時間を正確にお伝えすることが大切です。

2) 診療室で:エビデンスにもとづいた解説を!

このタイプの患者さんは、自らの症状を直観的(事実をしっかりと見る)かつ冷静にとらえます。

それだけに「なぜ、こうなったのか?因果関係は?」など、科学的な根拠にもとづいて知りたいとう欲求を持ちます。

経験値による解説は通用しません。

エビデンスにもとづいた解説、治療法を提案することで信頼度が高まります。

3) 会話の中で:批判をしない!

このタイプの患者さんは、理論的なだけに、一見、理屈っぽい印象を受けることもあります。

納得するためには、多くの情報収集をしながら確認していきます。

時に面倒に感じて、患者さんの意見を批判したり、話を中断してしまったりすると、患者さんは回避し、いつの間にか来院しなくなってしまった……ということにもなります。

まずは、患者さんの話をじっくり聴くことが大切です。

4) 治療説明の中で:質問しやすい環境を!

このタイプの患者さんは、治療を決定するにあたって、治療内容の一部始終、細かい内容までも把握したいという欲求があります。

ですから、多くの質問を繰り返しながら、理解を深めようとしていきます。

常に「ここまでで、何かご質問はありますか?」と、患者さんが質問しやすい雰囲気を与えていくことで、コミユニケーションの質が高まります。

5) その他の対応:治療決定を迫ってはいけません!

このタイプの患者さんは、エビデンスにもとづいた情報収集を求め、納得がいくまでじっくりと考える患者さんです。

それだけに、決定を迫られるとモチベーションが低下していきます。

じっくりと考える時間を与えることで、結果的に患者さんは決断しやすくなります。

 

*明日からの診療、こんな患者さんがいらしたら、ぜひ実践してみてください。