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これだけは身につけておきたいスタッフ習慣術【6】患者さん・スタッフ間・院長との関係性を深める習慣術

2013年09月17日

前回は、より良い人間関係のコツとして“理解してほしい!よりも相手を理解するのが先!”とお伝えしました。

それを実行し、習慣化するためのポイントとして、聴き力のステージ1と2をご紹介しましたが、ステージ2は、コーチングのコーチが使うスキルですから、かなり専門的です。

しかし習得すれば、患者さんからの信頼度は驚くほど上がりますし、人間関係を深めるうえでも大きな効果が生まれます。

最終回はステージ2を実践で活かしていただくことを目指して、実践例をまじえて説明を補足していくことにします。

【1】苦手な患者さんの対応がステージ2の活用で変わる!!

よく、デンタルスタッフの方から「見た目が怖い方や偉い肩書をお持ちの方と接するのが苦手」という声を聞きます。

ステージ1(意識の矢印が自分へ)でみると、「ちょっと怖そう・・・」「偉い人って苦手」「私の話なんか聞いてもらえない・・・」ととらえてしまいます。

ステージ2(意識の矢印が相手へ)でみると、「どんな方なのだろう・・・」「なぜ怒っていらっしゃるのかしら?」「いや、怒っているように見えるだけで、実際は怒ってないのかも・・・」「この方のことを知ってみたい!!」と相手重視の心の状態に変わります。

通常、相手の方に意識を向けているようでも、無意識に自分の深層部に意識の矢印が向いていることが多いものです。

相手と会話しているようでも本当は、自分の心と会話している状態です(ステージ1)。

ステージ1の時に「怖そう・・・」と感じた既成概念をとっぱらい、この方に興味を持ってステージ2にシフトします。
自分に向けられた矢印を、思い切って矛先を変えてみるのです。
ステージ2の時には、自分の先入観や既成概念をとって、自分の心を真っ白なキャンパスにするようなイメージを持ってみてください。
びっくりするほど、良い人間関係が構築されます。
相手に興味を持ち、寄り添い、質問をしながら関係性を築くことで、実は「怖い!」と思っていた人と、深い信頼関係がつくられるのです。

【2】ステージ2の活用でスタッフ間の関係性が変わる

ステージ1の先輩と後輩の会話例です。

後輩「先輩、なんかいつも忙しぶって、器材の音や足音をわざと立てているみたいに聞こえる!なんか嫌味!手伝ってほしかったら、そういってくれればいいのに・・・」

先輩「なんて気が利かない子かしら!“何か手伝いますか?”くらいいえないの?ほんと今の若い子は素直さがないし、気が利かなくて困るわ!!」

こんなステージ1の心の声は、関係性をマイナスに導くだけです。
ステージ2へシフトすると、相手への声掛けがこう変わります。

後輩「先輩、何かお手伝いできることありませんか?私ができることおっしゃってください。先輩は忙しくてもいつもきちんとされていて、女子力が高いですよね~いつも素敵で憧れます」

先輩「あらっ、ありがとう!そんなこといってくれると嬉しいわ~。私は外見を整えることは患者さんへのマナーや思いやりのひとつだと思っているの。どんなに忙しくてもそれだけは譲れないのよ。それに気づいてくれて嬉しいわ~」

この会話から、先輩の日ごろ大事にしている思いや価値観まで聴くことができました。
互いにステージ1の意識の矢印では、このような会話に発展することはありません。
相手を知りたい、相手を理解したい、寄り添いたい、と相手の意識に矢印を向けるステージ2が関係性をつくり深めていく習慣がなせることです。

【3】院長先生との関係性を強化する!!

ここでは男性特有の考え方、いわゆる男性脳を理解することにしましょう。
男性と女性はそもそも考え方の根本が異なります。
それを私たち女性が先に理解することが大切です。

男性脳は「問題解決したい!」「自分の経験でアドバイスをしたい!」「結論を急ぎたい!」「自分の価値観を重視したい!」「話を聴くのが苦手!聴かない」といった特徴を持ちます。
これらは、みなさんの院長先生もそうですし、一般的な男性脳の特徴なのです。

一方、女性は「問題解決が問題ではなく、ただ聴いてほしい」「気持ちに共感してほしい、わかってほしい」「感情が先、理屈はあと!」なので、根本的に男性と女性は合いません。

男性脳に近い女性もいますし、その逆もありますが、たいていは男女の脳の差がミスコミュニケーションを引き起こしています。
ですから、男女が共に仕事をし、関係性をよくして生産性を上げるには、男女の違いを知り互いを理解することが重要なのです。

「なんで院長先生は私の話を聴いてくれないのだろう!」「気持ちを全然わかってくれない!」とプン!とする前に、院長先生へステージ2の気持ちを向けてみましょう。

相手を理解することが先!です。そのためには、相手の世界観に私たちが先に飛び込んでみること、その一歩を踏み出してみてください。

また、ご紹介したステージ2は、コーチングで使うコーチのプロの聴き力です。
人と人との関係性を高め、互いを尊重し大切にする習慣が自然に身につきます。
ぜひデンタルスタッフのスキルとして習得してください。

参考文献・・・
「7つの習慣」 スティーブン・R・コヴィー キング・ベアー出版
CTIコーアクティブコーチング http://www.thecoaches.co.jp/

株式会社オフィスウエーブ
 代表取締役
 澤泉仲美子 ⇒ http://www.office-wave.jp/