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これだけは身につけておきたいスタッフ習慣術【1】陽転思考を習慣化することこそ最強の習慣術

2013年07月12日

(1) 自分で見えないところを磨くことが基本

デンタルスタッフが身につけておくべき習慣術について、6回にわたってご紹介していきます。
この習慣術を身につけることで、みなさんが仕事を通して輝き、仕事が楽しく誇りを持てるようになり、仕事を通して幸せになる感度が磨かれますから、幸せに敏感で多感になります。
いつもなら落ち込んだり、傷ついたり、イライラするようなことが、気づきや学習・成長のエッセンスに変わっていきます。

 「人は誰も一度の人生をキラキラ輝かせたい」と願っています。
その願いを叶えるには「見えないところを磨く」こと。
いわば根っこ磨きです。
見えないところをゴシゴシ磨くと、見えるところが輝き始めます。
見えるところばかりを磨いても、本物の輝きを得ることはできません。

私は、患者接遇や歯科現場におけるコミュニケーション、デンタルコーチングのセミナー講師を長く務めていますが、その冒頭で必ず伝えることが、この「根っこ磨き」です。

とくにスキルをお伝えするときには、必ず根っこ磨きの重要性に時間を割きます。
人間性がともなわないスキルは、危険だからです。
スキルテクニックは一人歩きすると、時に切れ味のよいナイフのように、人の心を傷つける道具になってしまいかねません。

木でもっとも重要なのは「根」の部分です。
根が広く地を這い、土の栄養を十分に吸収し、育つことで、太く立派な幹となります。
その幹は、やがて枝葉をつけて、さらに太陽や水の栄養を十分吸収し、最終的には立派な実をつけるでしょう。

人間でいうならば、「根」は人間力。
モノの見方や考え方の部分です。
この部分の栄養素は「感謝や愛」。
「幹」はスキルやテクニックや知識に当てはまるでしょう。
「枝葉」は行動・態度・姿勢。
「実」は成果・結果です。
スキル(幹)は人間力(根っこ)があってこそ活かされるものなのです。

(2) ものの見方を工夫するのが陽転思考

習慣術の第1は、ものの見方を工夫する「陽転思考」です。

私は、能力の差は考え方の差だと思っています。
年齢やキャリアも大事ですが、それ以上に考え方が能力を決定づけるでしょう。
考え方は、物事を「どう見るか」「とらえるか」に集約されてきます。

物事(事実もしくは現象)そのものには、意味づけがされていません。
それを見て、悲しかったり、うれしかったり、腹が立ったり、悔しくなったり・・そんな意味づけをするのは人間の感情です。
ですから、ものの見方を工夫してみましょう。
距離や角度をいつもと変えて見てみましょう。
悩んだり困っているときは、真近でモノごとを見ています。
近すぎて、本当の姿が見えなくなっているものです。

事実や現象は1つです。
変えようのないものです。
しかし、それをどう見るかは無限大。

たとえば
「アポイントミスをしてしまった」
「ダブルブッキングして患者さんにもスタッフにも、迷惑をかけた」
「先生からひどく叱られた」・・・。

さあ、この現象をどう見ますか? 
もちろん、現実をしっかり見て受け止めて、反省をしなければなりませんが、その次のプロセスで、道は大きく分かれます。

「怒られてショック・・・もう落ち込んで仕事も手につかない!」
「あんなに強く叱らなくても・・・。ひどい!もう先生なんて嫌い!」と、マイナス感情をつのらせるのか?

「愛情がなければ、怒ったりしない」
「この失敗から学ぶことができた。“確認”をすることが大切なんだ。後輩にも伝えてあげられる」
「大きなトラブルに発展しなくてよかった。このままの気持ちで仕事をしていたら、きっと大きなミスにつながっていたところだった。ここでミスして立ち止まることができて本当によかった」
と肯定的にとらえるのか?

後者のように、物事を陽転させ肯定的な意図を探り、幸せ探しをする“ものの見方”を陽転思考といいます。

人生とは肯定的な意図によってできています。
あなたは幸せになるために、この世に生まれてきているのです。
また、そのために必要なリソースは、すでに生まれたときから十分持っているのです。
このことに気づけば、陽転思考は比較的スムースに習慣化することができます。
これが習慣化したら最強です。
だって不幸になりようがないのですから。
どんな出来事も陽転してしまえるからです。

人生にムダなことなんてひとつもありません。

「思うようにスキルが身についていない」
「ミスが多く、先輩や先生によく叱られ落ち込んでいる」
「人間関係に悩まされる」
――チャンスは、ピンチ!ピンチ!といって到来しますが、そんな時こそ、陽転思考のチャンスなのです。

神様は乗り越えられない困難は与えないといわれています。
だとすると、苦しければ苦しいほど、あなたは試されているのですし、能力があるという証明です。

陽転思考にトライする際、効果的な練習方法があります。物事の反対側をみる練習をしてみることです。

『あの人のあそこが嫌い』→『ここは好き!』

『あーー疲れた~』→『今日もよく働いたな~』

マイナーな感情に陥った時こそ、反対側を見る練習をしてみてくださいね。

参考文献・・・
「起きてることがすべて正しい」勝間和代(ダイヤモンド社)
「陽転思考」小田全宏(日本コンサルタントグループ)
「陽転コミュニケーション」和田裕美(日経ビジネスアソシエ)

 

株式会社オフィスウエーブ
代表取締役
澤泉仲美子 ⇒ http://www.office-wave.jp/