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【2】あたりまえ 2 :誰に対しても礼儀正しく

2017年07月18日

こんにちは!

墨田区で開業しております、杉平(すぎひら)と申します。

このメルマガでは、サービス業としての歯科クリニック運営について、
当院で取り組んでいることをご紹介させていただきます。

政治家が事務所スタッフや地元住民に対して尊大な対応をして、
離党や議員辞職に追い込まれる報道をよく目にします。

「政治家ってそんなに偉いのか?」と思われたらアウトですね。

われわれ歯科医師は、曲がりなりにも「先生」と呼ばれる立場です。

「先生」とは、偉い人のことを指すのでしょうか。

以前、大変お世話になった先生から「歯科医師免許」についてこのようなお話をいただき、非常に感銘を受けました。

「歯医者だからという理由だけで偉そうにしている人間が多すぎる。歯科医師免許は、運転免許と同じなんだよ。運転免許がないのに車を運転したら犯罪だろ?
運転免許は『車を運転してもいいよ』と国から許可をいただいただけで、持ってるから偉いなんて誰も思ってない。歯科医師免許も、『歯を削ったり抜いたりしても傷害罪にならないよ』と国から許可をもらっただけのものなんだから、それを持ってるだけで偉いと思うのは筋違いだ」

私たちは勉強を頑張って歯学部に進学し、国家試験に合格しました。

さらに自己研鑽し、少しずつ結果を出せるようになり、
患者さんから感謝の言葉をいただいたりすると、
最初は嬉しい気持ちが大きいですが、
それが積み重なると「自分はすごい」と思うようになることもあるかと思います。

恥ずかしながら、自分にはそんな時期がありました。

初診の患者さんが、たまに

「前に通院していた歯医者さん、先生が女性のスタッフに怒鳴り散らすんですよ。怖くなって行かなくなりました」

といったお話をされます。

人が怒鳴っているところを見て気分がいい人はいません。

最近患者さんの前で怒鳴る先生は少なくなったと思いますが、
結果を出すたびに「自分はすごい」としか思えなくなってしまうと尊大になるのではないでしょうか。

われわれ歯科医師は、国から歯科診療の許可をいただき、
スタッフにお手伝いしてもらいながら仕事をしています。

このことを踏まえて、
今回は診療業務中での取り組みについてお話したいと思います。

診療中、よくある光景です。

「おーい、アレとってきて!」
「今から抜歯するから、準備して!」
「次の患者さん入れて~」

また、スタッフ同士の話し方でも、

「〇〇ちゃーん、あの材料の在庫もうないから、注文しといてくれる~?」
「うん、わかったー!」

活気があるクリニックだと思われるかもしれませんが、
人によっては「品がない」と感じることもあります。

「命令」と「お願い」には大きな差があります。

当院では、自分も含めスタッフ全員お互いに丁寧語でのやり取りを指導しています。

上記の内容であれば、

「すみません、アレ取ってください」
「これから抜歯しますので、準備をお願いします」
「次の患者さんをお通ししてください」
「〇〇さん、あの材料の在庫がもうないので、注文しておいてください」
「はい、わかりました!」

丁寧な言葉遣いを聞いて気分を害する人はいないと思います。

そして、丁寧な言葉遣いだから活気がないということはありません。

治療技術を磨き、知識を取り入れ、結果を出すことはもちろん重要なことです。

自己研鑽は一生続けなければならないと思います。

ただ、それだけしか意識しないでいると、
思わぬところで患者さんの不満を買うことになってしまいます。

以前働いていた職場で、こういったクレームをいただいたことがあります。

「受付で女の子たちが、おしゃべりしながら笑っていた。自分が笑われているように感じた」

受付でおしゃべりすることは論外ですが、問題はそのことではなく、
患者さんは想像以上にわれわれの会話をしっかり聞いているということなんです。

クリニックによると思いますが、
当院では少なからずユニットで患者さんをお待たせする時間があります。

たとえば印象を取る時間や、抜歯後の止血中などです。

そういう時間をなるべく有意義に使うため、
ユニットのモニターから情報提供用のスライドを流したり、
診療内容の説明が書いてある紙をお渡しして読んでもらったりしていますが、
それでもわれわれスタッフのやりとりは耳に入ってくるようです。

苦情・クレームの大半は、患者対応の悪さにあるといわれています。

診療内容や結果に対する不満は1~2割程度だそうです。

某医療法人での統計によりますと、
おおよそ8割が、患者対応が原因とされており、
そのうち半分は歯科医師の説明不足、
もう半分は受付や診療室でのスタッフ対応が悪いことへの不満となっています。

苦情やクレームに発展するケースの25倍の人数が同じ不満を抱えているそうです。

つまり、100人中96人の患者さんは何も言わずに他院へ転院してしまう可能性が高いということです。

頑張って勉強して練習して良い治療ができるようになっても、
治療以外の理由で不満を持たれてしまうのはもったいないと思いませんか?

クリニック全員の言葉遣いを変えようとするのは難しいかもしれませんが、
たとえば先生1人だけでも意識して丁寧に話してみるぐらいなら試してみても損はないのではないでしょうか。

カルミアデンタルクリニック院長
杉平 亮介
http://kalmia-dc.com/