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【1】あたりまえ 1 :すべての患者さんがVIPと考える

2017年07月03日

読者の皆様、初めまして!

東京都墨田区で開業しております、杉平(すぎひら)と申します。

このたび、ご縁があってコラムを担当することになりました。

当院での取り組みをお伝えすることで少しでも皆様のお役に立てるのであればと思い、
僭越ではありますが6回に分けてお話しさせていただきます。

皆様はすでにご存じのことだとは思いますが、
「歯科医業はサービス業」という考え方が定着しており、
患者さんもそのような認識をもっている割合が増えております。

「はたして、医療におけるサービスとはどのようなものか?」

ということを考えるにあたり、
大前提としてはき違えてはいけないのが、医療機関は「お客様のご要望にすべてお応えする」
ようなホテルや航空会社などの接客業ではないということです。

極端な例で申しますと、
「歯を抜いて」と言われたから抜かなくていい歯を抜いた、などです。

患者さんから「〇〇してくれ」と言われたことを何も考えずにやるのは医療ではないですよね。

われわれが考えている「あたりまえ」のことと、
患者さんたちが考えている「あたりまえ」にギャップが生まれてきていることは否めない事実であり、
お互いの「あたりまえ」をうまく寄り添わせたサービスを提供できれば、患者さんの満足度は飛躍的に高まるのではないでしょうか。

このことを踏まえたうえで、
当院で取り組んでいる医療サービスについて紹介させていただきたいと思います。

まずは、初診の患者さんが来院された時の流れからです。

1.氏名・住所などの個人情報を記入していただく
2.血圧・脈拍の簡易測定
3.カウンセリングルームに移動していただき、お茶を出す
4.現病歴・既往歴について聞き取りで問診を行う
5.ユニットへご案内し、問診内容の確認や診査・検査などを行う
6.診査・検査結果をお伝えし、治療計画を提案する
7.治療開始

以下にそれぞれを詳しく説明します。

1.

いわゆる「問診票」を書いてもらうことはしていません。

カルテ作成に必要な情報のみ書いていただいています。

2.

普段の血圧よりも今現在の血圧のほうが気になりますので、小児以外全員にお願いしています。

3.

ここは意見が分かれるところだと思います。

残念ながら現在日本では、初診で訪れる患者さんの大半が口腔内に何らかのトラブルを抱えています。

そんな状態で初めて入る歯科医院は、ただでさえ怖い・痛いイメージが強いですから当然不安な気持ちが強く、緊張しています。

柔らかい雰囲気の部屋でお茶を出されて、不可解に思う患者さんはいても、
不快に思う患者さんはいないと思います。

診療室へ入る前に、なるべく不安と緊張を取り除いておきたいと考え、このようにしています。

4.

問診は聞き取りで行っています。

大学でそのように習ったこともありますが、一番の目的は既往歴の聞き漏らし阻止です。

他の患者さんもいる待合室で、見られているかもしれない状況なのに、問診表に書くのに抵抗がある項目もあると思います。

実際に問診中、
「大きい声で言えませんが、じつはB型肝炎になったことが……」
といったお話を聞くことが多々あります。

他の人に聞かれることがないという安心感から、本当に必要な情報を聞き取ることができます。

当院では、患者さんに何かを書いてもらうことを極力少なくし、
直接聞き取ることでなるべくたくさんコミュニケーションをとるようにしています。

聞き取るのは現病歴・既往歴だけではなく、
これまでの治療で嫌だったことや苦労したことはないか、
今回治療するにあたり不安なことはないか、
主訴以外で気になっていることはないか、
将来口腔の健康について、
「こうなったら嫌だ」「こうありたい」と思うことはないか、
なども聞き出します。

不安に思っている人は、自分の不安な気持ちを聞いてもらうことで安心することができます。

時間はかかりますが、患者さんの不安を問診でなるべく取り除くようにしています。

5.

ユニットへご案内してからすることは、各クリニックさんと同じだと思います。

6.

治療計画については、なるべくたくさん提案するようにしています。

重要なのは、治療内容を患者さんが自分で「選んで決める」ことです。

当たり前のことだとは思いますが、患者さんの話を聞いていると、
「歯を抜かれた」「銀歯を入れられた」など、
思っていたことと違う治療を「された」と訴える方が多いのが実情です。

「おまかせします」と言われたら気を付けなければなりません。

どの治療がよいのかわからないという患者さんには、
治療後どのような状態になっていたいのかを聞くべきです。

7.

初診では以上の流れを行うだけで1時間以上かかることが多いです。

場合によっては処置が何もできずに終わることもあります。

それでも、初診は「ここで頑張って治療しよう!」と思ってもらえるかの一番大切な時間ですので、時間をかけていいところだと思います。

「こんなに話を聞いてもらえたのは初めて!」
「こんなにしっかり説明してもらえたのは初めて!」

とお褒めの言葉をいただければ、「私も治療頑張ろう!」と思えます。

次回以降も、医療サービスをテーマにお話をさせていただきたいと思います。

どうぞよろしくお願い申し上げます。

カルミアデンタルクリニック院長
杉平 亮介
http://kalmia-dc.com/