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【4】フラップの形成とデブライドメントのコツ

2017年05月15日

皆さん、こんにちは。

東京都葛飾区で開業しています、鈴木真名です。

前回は、「縫合がうまくなるコツ」について解説しました。

今回は、切開・剥離・縫合のコツを踏まえたうえで、
歯周外科の基本であるフラップ形成とデブライドメントについて一連の流れとともに解説したいと思います。

●どういう形にフラップを形成するか?

まず、「どういう形にフラップを形成するか」を考えます。

フラップのデザインは用いる術式によって異なりますが、
ここでは一般的なアクセスフラップ、フラップキュレッタージを想定して話を進めたいと思います。

フラップ形成時に大切なのは、どこに炎症起炎物質が存在するかを見極め、
その部位にアプローチするためには、どこに切開を入れて、
どの方向に剥離すればよいかをシミュレーションすることです。

その際のフラップ形成では、当然のことながら全層弁を形成します。

コラム第2回の「切開・剥離」のときに解説したように、
骨膜まできちんと届くように切開することが大切です。

アクセスしやすい近心から骨膜剥離子でアプローチしていきます。

この全層弁を形成することは、
歯と軟組織を結ぶ繊維を断裂させることを意味します。

切開線を入れる段階で、切開がきちんと骨面まで達していないと、
その後の剥離もうまくできないため、骨面まで達したとわかるまで切開してください。

歯冠部の切開をしっかり行うためには、アクセスを考慮する必要があります。

先端が細いブレードを用いるとよいでしょう。

つぎに、歯肉溝切開を根面に沿って、骨面にアクセスできる切開を入れます。

それにより、歯肉弁をスムーズに剥離することができます。

●デブライドメントのポイント

フラップが形成できたら、デブライドメントに移行します。

骨面に残った炎症性軟組織を除去する方法としては、
最近はEr:YAGレーザーを用いた方法の有用性なども紹介されていますが、
ここではレーザーを持っていない状況を前提に話を進めます。

ブレードで骨面まで達した切開を行えた場合は、
炎症性軟組織はスケーラーで一塊として取れてきます。

すなわち、きちんとした切開を入れることは、
その後のステップにもつながってくるため、
基本に忠実なステップを踏むことが結果的に時間短縮にもつながるといえます。

残念ながら、フラップ形成がうまくいかなった場合は、
根面に炎症性軟組織がたくさん残存した状態が目の前に現れます。

そんなときでも、そこにしっかりメスを入れて軟組織を除去する意識をもつことで、一塊で除去することが可能となります。

その後、炎症性軟組織が根面に残らないように滑沢化していきます。

根面にアクセスして炎症物質(歯石)を除去していきますが、
細かい部分を見逃さないことがもっとも重要です。

そのためにも、根面が確実に見えるフラップ形成がポイントとなるのです。

歯周外科によってフラップを形成し、歯石が見える状況にしたにもかかわらず、
それがきちんと除去できなければ、その部分の再生は見込めません。

筆者は、デブライドメント後にはマイクロスコープによって根面を確認しています。

拡大率を上げてよく観察すると、
肉眼では取れたと思っていても残っている可能性が多々あります。

やはり、細かい部分のチェックにおいては、どうしても肉眼やルーペでは限界を感じます。

取りきれず、原因(起炎物質)を残してしまった瞬間に、再生はないのです。

ここまでいくつかの観点からポイントを見てきましたが、炎症性起炎物質を確実に除去し、再生への可能性を高めるには、

・根面を確実に確認し、デブライドメントする
・骨面の確実なデブライドメント
・拡大視野下で根面および骨面を確認する

以上を最低限行うことが大切です。

その結果、初めて歯周組織が再生する可能性がでてくるといえるでしょう。

●まとめ

今回は、フラップ形成とデブライドメントのポイントをお伝えしました。

次回は、歯周外科後の創面保護から、抜糸・初期清掃までのコツについて解説したいと思います。

鈴木歯科医院
鈴木 真名
http://www.suzuki-masana.com/